バルカン半島のアドリア海沿いにある小さな国「モンテネグロ」。
その中でも、最も有名で外せない町の1つが「コトル(Kotor)」です。
「コトルの自然と文化歴史地域」として世界遺産に登録されている城壁の町は、中世の面影を色濃く残す旧市街と、山々に囲まれたコトル湾の美しい風景が魅力です。
地中海クルーズの寄港地としても人気があり、観光シーズンには世界中から多くの人が訪れます。
クロアチアの大人気観光地・ドブロブニクからも比較的近く、私も10年以上前に日帰りでコトルを訪れたことがあります。
「再訪したいなぁ」と思っていた夢が叶い、家族で3泊を過ごしました。
観光スポットをがっつり巡るというより、旧市街に泊まって猫たちと触れ合ったり、海で遊んだり、スピードボートでコトル湾を巡ったりと、のんびりペースの滞在に。
ちなみに、モンテネグロはEUには加盟していませんが、独自通貨はなく、公式にユーロを導入している珍しい国です。
なじみのない通貨を両替しなくていいので、その点で旅しやすい国のひとつと言えるかもしれません。
コトルへの旅行を検討中の方はもちろん、クロアチアから足を延ばそうか迷っている方、モンテネグロに興味がある方も、ぜひ最後までご覧いただき、旅のヒントを見つけてください🎉
コトルの前に訪れたブドヴァの旅行記はこちら!現地の様子を詰め込みました。
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本宮愛栞(もとみや あいか)
旧名「りり」でブログを書いてきました。
🌏 ブダペスト在住20年。世界50カ国以上を旅した1人旅好き。
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【コトルの歴史】世界遺産の町の成り立ちを知ろう
紀元前にはイルリア人やローマ人が住み、古くから人々が暮らしてきたコトル。
その後、ビザンツ帝国やセルビア王国、ヴェネツィア共和国など、さまざまな勢力の支配を受けながら発展していきました。
険しい山々とアドリア海を望む湾に囲まれたこの地は、古くから交易と防衛の拠点として重視されており、とくに中世にはその地理的な特性を活かして大きく栄えました。
なかでも、ヴェネツィア時代に整備された石造りの建物や城壁は、現在も旧市街にその姿を残しています。
ヴェネツィア共和国の支配を経た後も、コトルはオーストリア帝国やユーゴスラビアなど、時代ごとに異なる統治下に置かれながら発展してきました。
世界遺産に登録された1979年には、大地震にも見舞われたコトル。
一時はユネスコの「危機遺産リスト」 に指定されましたが、長年の修復と保存活動により、歴史的な町並みは今日までしっかりと守られています。
そして2006年、モンテネグロはセルビア・モンテネグロから独立し、現在のかたちとなりました。
美しい湾と中世の街並みが調和するコトルは、長年にわたり世界遺産として親しまれ、今もなお多くの観光客を惹きつけています。
【コトル旧市街】中世の町並みと猫に出会える、世界遺産の散策スポット
立派な城壁に囲まれたコトルの旧市街は、さすが世界遺産ということで、歴史的な建築や町並みの保存状態が素晴らしいです。
コトル旧市街はコンパクトで、ぐるっと歩いて見るだけなら、30〜40分程度でも見て回れる規模感です。
三角形をした町の出入り口は「海の門」「北の門」「南の門」の3か所に限られています。
一つひとつの門が意外と小さいことにびっくりしました。
防御を最優先に設計された町であることが伝わってきます。
石造りの建物と石畳の道、そして岩山の背景はどこを歩いても絵になる風景ばかり。
気になる方向へ、自由気ままに歩いてみるのがおすすめです。
細い石畳の路地には、ピザ屋さんやジェラート店、お土産物屋さんなどが並び観光客でにぎわっています。
コトル旧市街には、カトリックと正教会、それぞれの教会が並び立っています。
長い歴史の中で西と東の文化が交わってきたこの町では、宗派を超えた共存の姿が今も息づいています。
コトルにも人懐っこい猫がいっぱい!
ブドヴァにもたくさんいましたが、コトルのほうが「数歩進むと猫、その先にも猫、そこの壁にも猫!」という感じで、本当に数が多いです。
猫好きのみなさんは楽しみにしていてくださいね🐈
特に、北の門の目の前の広場には猫の家や餌置き場があって、たくさんの猫が集まっています。
北の門〜海の門〜南の門をつなぐ城壁は、無料で歩くことができます。
北の門と南の門の近くの階段が見つけやすいですが、海の門の北側(角の砦の近く)からも上り下りできました。
私たちは行っていませんが、旧市街の背後にそびえる岩山の上には、中世に築かれた聖ヨハネ要塞(San Giovanni Fortress)があり、片道40〜50分ほどで登れるそうです。
コトル湾全体と赤い屋根の旧市街が一望できる景色が素晴らしいですね!
画像引用元 / PORTO MONTENEGRO
2025年7月現在、聖ヨハネ要塞へ向かう通りへの入場料は15ユーロ。
階段の道はやや険しく、特に夏場は日差しが強いこともあるので、登るタイミングは無理のないように選ぶのがよさそうです。
無料で登れる裏ルートの情報も見かけますが、安全面などを含めて、最新情報をチェックしながらご判断ください。
海の門を入って時計塔のある広場の様子
涼しくなった夏のコトルの夜は、昼間以上に賑わっています。
私たちが訪れたのは週末だったこともあり、無料の屋外コンサートも2日連続で楽しみました。
【コトルのスピードボートツアー】世界遺産の絶景と自然の迫力を海から味わう
コトル観光で人気のアトラクションの1つが、コトル湾をめぐるボートツアーです。
コトル湾の魅力をもっと深く知るなら、ボートツアーはまさにうってつけ。
町から眺めるだけではわからない、山々と海に囲まれたダイナミックな地形を間近に味わえます。
気軽に楽しめる1時間半のツアーと、コトル湾の見どころをめぐる3時間のツアーがあります。
私たちは迷った末、3時間のツアーを選択しました。
コトル湾は周囲を山に囲まれ、複雑な湾の構造により、軍事施設を秘密裏に保つのに適しているそうです
3時間のツアーには、最後に遊泳タイムも設けられています!
ツアーの種類や料金、申し込みにあたっての注意点、スピード感のある3時間のクルーズ体験記など、ボートツアーが気になる方はこちらの記事もご覧ください!
【コトルのビーチ】湾内の絶景ビーチへ、旧市街から簡単にアクセス
コトル湾には小規模のビーチがいくつかあるのですが、旧市街から徒歩10分程度で行ける「コトルビーチ(Kotor beach)」がよく整備されています。
エメラルドグリーンの透明な海と、前後を囲むようにそびえる山々。
自然のスケール感に圧倒される、コトルならではの絶景ロケーションです!
ビーチは200メートルもないほどの規模です。
手前半分にパラソルが並びますが、奥の方は自前のマットやタオルで過ごせる無料エリアになっています。
ビーチパラソル1台とビーチチェア2脚のセット料金は30ユーロで、2025年7月は現金でのみ支払い可能。
朝8時から営業していて、9時頃に行ったらまだまだ空いていましたが、10時過ぎにはどんどん人が集まってきました。
コトルのビーチも他のアドリア海のビーチと同様、砂浜ではなく小石や砂利なので、水は濁らずに透明度が高く、足元までくっきり見えます。
裸足だと足の裏がちょっと痛いので、マリンシューズを履くと快適に過ごせます。
ビーチのすぐ隣に食事を取れるレストランがあって、その先にはハンバーガーやピザをテイクアウトできる店もありました。
3〜4分歩けばスーパーで買い出しもできるので、軽食やお菓子を調達するのも簡単です。
そんな素敵で便利なロケーションのコトルビーチですが、子供たちの反応は、数日前に訪れたブドヴァのモグレンビーチに比べるとあまりよくありませんでした。
コトルビーチのほうが、ちょっと落ち着いた大人っぽい雰囲気だったからかもしれません…?
ビーチに飽きた息子と海沿いを北の方角へ向かって散歩したのですが、どこから見てもコトル湾の風景は美しくて感動的でした。
【コトルの食事】人気のグリル料理屋さんをリピート&やっぱりジェラート!
コトルで泊まったアパートのオーナーさんは、「私は旧市街では食事をしません」ときっぱりおっしゃってました😅
雰囲気抜群のコトルの町ですが、観光客向けのレストランが多く、お値段も高いということが理由のようです。
コトルの前に訪れたブドヴァで、私たち家族はレストラン巡りとシーフード料理を満喫したこともあり、コトルではちょっとした自炊をしながら、レストランにはほとんど行きませんでした。
ただ1軒、バルカン半島のグリル料理が美味しいお店には毎日通ったので、その様子を中心に、コトルのグルメについてご紹介していきます!
BBQ TANJGAでモンテネグロのグリル料理を!
コトルで毎日通ったのが、地元の人々にも観光客にも人気の「BBQ TANJGA」というお店です。
家族経営のお肉屋さんですが、本格グリル料理も味わえる場所として、ひっきりなしにお客さんが訪れています。
モンテネグロのボリューム満点のお肉料理を、お手軽なお値段でいただけるのが人気の秘密です!
私たちのアパートのオーナーさんもおすすめの1軒で、旧市街の南の門を出て、歩いて2〜3分の好立地です。
夕方5時頃は比較的空いていましたが、午後3時頃は店内は大混雑でした
入り口の脇と店内に少しテーブルがありますが、お店の裏庭には広いテラス席があります。
夕方4〜5時頃は比較的空いていましたが、初めて行った日は午後3時前で大混雑、1つだけ空いていたテーブルをなんとか確保できるような状況でした。
料理の注文はお肉の並ぶカウンターで行います。
グループで出かける場合、混雑時であれば、注文を担当する人とテーブルを確保する人に分かれるのがおすすめです。
メニューが壁の箱に入っているので、注文の列に並びながらどれにするか選べました。
いろんな味を試せるお肉の盛り合わせが人気の様子。
その他、ステーキやチェヴァピ(ソーセージのような形をしたグリル料理)のセットもあります。
ちなみに、私の前に並んでいた人はサンドイッチをオーダーしようとしていたのですが、パンがなくなったという理由で断られていました。パン系をオーダーしたい人はそんな可能性もあるのでご注意ください。
ハンガリーにもあるクレーメシュケーキのようでおいしかったです!
大混雑しているランチタイムは、食事が届くまでに40分くらいかかります。おしゃべりでもしながら気長に待ちましょう。
ボリュームたっぷりのグリル料理にみなさん大満足するはず!
付け合わせのポテトや野菜、ディップ類も美味しいですよ。
私たちは初回に1,500グラムのXXXL(45ユーロ)を注文しましたが、全然食べきれずに、箱をもらって残りはテイクアウトしました。
2回目以降はテーブルにはつかず、最初からテイクアウトをお願いすることに。
空いている時間帯だと20分程度で料理が仕上がります。
お店の正面にiDEAというスーパーがあるので、そこで買い物をしたり、旧市街もすぐそこなので散策などしながら時間をつぶせました。
バルカン半島のグリル好きの私は、色々な国で食べてきました。バルカン半島を旅行予定の方は、こちらの記事も要チェック!ハンガリーのグリル料理店情報も載せています。
コトル在住のアパートオーナーさんおすすめレストラン&テイクアウト
レストランの味に厳しいアパートのオーナーさんは、「コトルに夜遅くに到着して、やむを得ず旧市街でレストランを探すのであれば『Konoba Scala Santa』がおすすめ」とのことでした。
メインのパスタ、リゾット、シーフード、肉料理は、いずれも17ユーロ程度から楽しめます。
あとは、町の中心あたりにある「Pizzeria Pronto」のピザもおすすめできるとのこと。
店内だけでなく、食べ歩き用の切り売りのピザもあって、私たちの滞在中もピザを待つ長い行列を見かけました。
大きなピザ1切れが3.5ユーロ〜のようです。
夏はやっぱりジェラート!
オーナーさんもおすすめで、口コミ評価が高いジェラート屋さんは「Marshall’s Gelato」。
路地にある小さなお店ですが、とても賑わっていました。
スモールサイズは2スクープで4ユーロ、確かにお味は最高!
カップは無料なのですが、コーンだと追加でさらに2ユーロ(!)かかるのがちょっと珍しいかと思います。
あとは、ブドヴァにもあったチェーン店のジェラート屋さん「Moritz Eis」が、コトルには3軒あります。
こちらも安定の美味しさで、1スクープ3.5ユーロでした。
【コトルの宿泊】旧市街のテラス付き快適アパートに滞在
歴史を感じられる旧市街に泊まるのが好きな私は、コトルでもいい感じのアパートを発見。
岩山のふもとに位置し、城壁内では珍しいテラス付きだったのが予約の決め手です。
テラスの奥には洗濯物干しスペースもありました
テラスでは、自分たちで淹れたトルココーヒーやモンテネグロ産のワインを味わいながら、のんびりとした時間を過ごせました。
お部屋はモダンに改装されていてとても快適。
寝室からの景色も「ザ・ヨーロッパ!」という雰囲気で気分が盛り上がります。
リビングとキッチンは広々としており、キッチンのブラインドを開けると明るい光が差し込んできて、自炊する時間も満喫。
約70㎡の広さでテラス付き、宿泊料金は1泊あたり約150ユーロでした。
旧市街に宿泊すると、静かな朝〜午前中の雰囲気を満喫できるのが好きです。
お米を炊いたり、トルコ風コーヒーを作ったり、キッチンは毎日利用しました
私はAirbnbでこのアパートを予約しましたが、Booking.comやAgodaでも素敵な部屋を見つけられます。
旧市街の中は、週末は特に夜でも若干騒がしいです。
完全に静かな環境をお求めの方は、旧市街の外側にあるアパートを検討すると良いかもしれません。
【コトルへのアクセス】ブドヴァからの移動&ポドゴリツァ空港への移動
偶然、行きも帰りも同じ運転手さんでした
コトルには鉄道は通っていないので、移動の手段は「バス」もしくは「車(レンタカー・タクシーなど)」しかありません。
今回の旅では子どもが小さいことと、バルカン半島のバスターミナルはカオスであることを知っていたため、タクシーを手配して移動しました。
コトルへはブドヴァからタクシーで移動、所要時間は約1時間で、値段は50ユーロでした。
タクシーはブドヴァのアパートのオーナーさんに手配してもらいました。
コトルからポドゴリツァ空港へは、ポドゴリツァのタクシー会社RED TAXIを利用しました。
所要時間は約2時間、値段は80ユーロでした。
RED TAXIはオンラインで予約が可能、メールのやり取りのレスポンスも早いのでおすすめです!
モンテネグロはくねくねの山道が多いので、車酔いしやすい方は、必要に応じて対策グッズを持っておくと安心です。私も現地の薬局で、子どものために薬剤師さんに勧められた酔い止めを購入しました。
※薬の使用については、ご自身やお子さまの体質に合わせて、医師や薬剤師にご相談ください。
なお、ポドゴリツァ空港に到着して出国審査に向かおうとしたら、レーンがなぜか閉まっていました。
ストライキかと思って驚いたのですが、そうではなく、ポドゴリツァ空港ではフライト出発の90分前にならないと「出国→手荷物検査」の手続きを受け付けていないとのこと。
該当するフライトの90分前にレーンが開くので、まずは係員に搭乗券を見せて、その後に先へと進めます。みなさんびっくりしないでくださいね。
【まとめ】コトル旧市街に泊まって楽しむ、世界遺産の歴史とアドリア海の絶景
中世の街並みが残る旧市街と、アドリア海の美しい湾が調和するコトル。
3日間の滞在では、歴史ある町を歩いて猫とふれあい、ボートツアーやビーチで海と風景を楽しみ、地元のグリル料理も満足いくまで味わうことができました。
旧市街内のアパートに泊まったことで、朝の静かな時間帯の雰囲気も味わえたのは大きな魅力。
限られた日数でも、街の雰囲気と自然の美しさをしっかり満喫できる旅先でした。
「世界遺産の町に泊まってみたい」「アドリア海の美しい風景を楽しみたい」という方には、コトルは間違いなく候補に入る旅先です。
この記事が、みなさんの旅のヒントになればうれしいです。