【ブダペストでコーシャ料理】ユダヤ人街のカフェでイスラエル風朝食体験

ブダペスト7区にあるコーシェ認定カフェCafe Tamaraの朝食の様子。シャクシュカとディップ類

ブダペストの7区を中心に広がるエリアは、かつてヨーロッパ最大規模と言われたユダヤ人街。
今もドハーニ通りのシナゴーグを中心に、ユダヤ文化に触れられるスポットやレストランが残っています。

フムスやファラフェルなど中東のメニューを出すレストランはブダペストにも多いですが、ユダヤ教の食事規則に従った「コーシャ料理」を提供する店は数が限られており、その多くがこの7区周辺に集まっています。

本宮愛栞(もとみや あいか)

お肉中心のコーシャレストランは値段が高めですが、カフェスタイルなら比較的お手頃で、気軽に立ち寄れる雰囲気です!

今回は、ユダヤ教の食事規則に従って調理されるコーシャ認定を受けているカフェ、Cafe Tamarに朝食で訪れてみたので、その体験をシェアします。

ユダヤ文化やコーシャ料理に興味がある方、ブダペスト滞在中にハンガリー料理以外も試してみたい方は、ぜひこの記事を参考にお出かけになってみてください。

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本宮愛栞(もとみや あいか)
旧名「りり」でブログを書いてきました。

🌏 ブダペスト在住20年。世界50カ国以上を旅した1人旅好き。
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目次
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コーシャ料理とは?

ユダヤ教のコーシャ料理について、わかりやすく説明した画像。牛や羊、チキンや鱗のついた魚は食べても良いが、うさぎや豚・乳製品と肉類を混ぜるのは禁止などのルールがある
コーシャ料理についての案内図
画像引用元:Yad Ezra

「コーシャ(Kosher)」とは、ヘブライ語で 「正しい」「適している」 という意味の言葉で、ユダヤ教の食事規則「カシュルート」に従った料理のことを指します。

代表的な特徴は以下の通りです。

  • 食べてもよい動物・禁止されている動物がある
    牛や羊、ヤギなどはOKですが、豚やウサギはNG。
    魚は「うろこ」と「ヒレ」がある種類(例:サーモンや鯖など)はOK、うなぎやエビ・カニなどの甲殻類はNGです。
  • 肉と乳製品を混ぜない
    ハンバーガーにチーズをのせたり、ビーフシチューに生クリームを入れるのはコーシャでは禁じられています。
    そのため、コーシャレストランは大まかに「肉料理中心」か「乳製品中心」に分かれているのが特徴です。
  • 食材の処理方法にも規定がある
    肉は「シェヒータ」と呼ばれる、ラビ(ユダヤ教の指導者)が定める方法で処理されたものだけを使います。
    簡単にいうと、できるだけ動物に苦痛を与えないように配慮した屠畜の仕方です。

ユダヤ人口の少ないブダペストでは、コーシャ認定や食材調達などの追加コストがかかるため、コーシャレストランは少し割高です。

とくにお肉料理のお店は高級寄りの価格帯になりがちですが、カフェスタイルなら比較的お手頃で、旅行者でも気軽に立ち寄れる雰囲気があります。

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Cafe Tamar(カフェ・タマル)で朝食体験

ブダペスト7区にあるコーシャレストランCafe Tamarの外観
Cafe Tamarの入り口

今回訪れたCafe Tamar(カフェ・タマル / ナツメヤシを意味する女性名)は、ブダペスト7区のユダヤ人街、ドハーニ通りのゲットーメモリアルウォールのすぐ先にあります。

コーシャ認証を受けたカフェで、Google Mapsでの評価が高く、ヘブライ語での書き込みも多いです。
本格的な雰囲気を感じたので、こちらのカフェに行ってみることに決めました。

実は前日、9月24日に訪れたのですが、なぜかお店が閉店していました。
後で調べたら、その日はロシュ・ハシャナ=ユダヤ新年の2日目に当たっていたことが発覚。ハンガリーで普通に暮らしているとユダヤ教の祝日には全く馴染みがなく、完全にノーマークでした。

本宮愛栞(もとみや あいか)

カフェのGoogle Maps情報などに祝日が反映されていなかったので、お出かけ前にユダヤ教の祝日を確認しておくと安心です。
(最後のカフェの情報部分に、祝日の確認方法を掲載しています。移動祝日もあるので気をつけましょう。)

ブダペスト7区にあるコーシャレストランCafe Tamarの洗練された店内。黒と白の壁に、茶色いテーブル、押さえた色合いのおしゃれな椅子
店内の様子

カフェは朝8時から営業していて、9時前に到着した私が一番乗り。その後、もう1組観光客と思われるご夫妻も入店してきました。

こじんまりとしたお店で、落ち着いていて洗練された雰囲気ですが、居心地も良いです。

私はイスラエルには4回行ったことがありますが、エルサレム旧市街のユダヤ人地区やユダヤ人にまつわる博物館などの、すっきりと洗練している上に人々を包み込んでくれるような、その独特な空気を思い出しました。

ブダペスト7区にあるコーシャレストランCafe Tamarのメニューの黒い表紙
Cafe Tamarの英語メニュー

英語のメニューをもらいます。他にはヘブライ語のメニューも置いてあるようです。

本宮愛栞(もとみや あいか)

ここは「乳製品系のコーシャ」レストランです。
肉料理は扱っていませんが、さまざまな中東料理、チーズやクリームを使ったパスタやピザ、魚料理もあります。

メニューの見開き部分は、「朝食セット」「シャクシュカ(北アフリカや中東でよく食べられる卵とトマトの煮込み料理)」「スープ」「サラダ」などが並びます。

ブダペスト7区にあるコーシャレストランCafe Tamarのメニューの中身。ちょっと古くてヨレヨレになっている。
朝食セットやシャクシュカの並ぶメニュー

次のページは「フムス(ひよこ豆のディップ)」や「ラバネ(濃縮ヨーグルトのディップ)」などの前菜、そして、Cafe Tamar特製のイエメン発祥のパン料理など。

ピザとパスタのメニューもあって、特にパスタは種類が豊富。
お肉は扱っていませんが、ツナやサーモンをつかったパスタや、クリーム・チーズ系のパスタもあります。
お魚メニューとして、スズキ(Sea bass)やタイの一種(Gilt-head bream)が掲載されていました。

私はシャウシュカとサラダなどのついたセットをオーダーしてみました。お値段は6,190フォリント(約2,500円)。
このセットではコーヒー類かジュースを選ぶことができます。

ブダペスト7区にあるコーシャレストランCafe Tamarの店内に飾ってある絵画。ホロコーストを思い起こす内容
ホロコーストに関する絵画がさりげなくかかっていました

食事を注文した後、ふと壁に目をやるとホロコーストに関する絵画がかかっていることに気がつきました。

左側絵画の舞台はおそらく、ユダヤ人街の中心にあってナイトスポットしても人気のGozsdu udvar(ゴジュドゥ・ウドゥヴァル)。そこで楽しむ現代の若者に、当時のユダヤ人の影を重ねた様な作品です。
もう1枚の暗い色調の絵は、ドナウ川で銃殺される人々を思わせる場面。

ブダペストを語る上で避けられない歴史を自然と意識させられました。

その一方で、まだ空いている店内では、ハンガリー人の店員さん同士が世間話で大盛り上がり。
ブダペスト在住の私もちょっとびっくりするくらい、大きな声で笑い合っていて、歴史の重みと日常のざっくばらんさが同居する、不思議な空気感が漂っていました。

ブダペスト7区にあるコーシャレストランCafe Tamarで注文したカフェラテ

少し待ってから、まずはカフェラテが到着。カプチーノやブラックコーヒーなど、好きなタイプを注文できます。

その後に運ばれてきた食事をみてびっくり!画像で伝わるかわかりませんが、ものすごいボリュームです。
2人でシェアしてもちょうどいいくらいの量でした。

ブダペスト7区にあるコーシャレストランCafe Tamarのボリュームタップリの朝食セット。シャクシュカはサイズが大きく、ディップ類も種類と量が豊富
朝食の時間以外でも、いつでもオーダーできるそうです

シャウシュカの入っている取手付きの小鍋は、直径20センチくらいはあって、切り株の鍋敷きがかわいいです。
色々な野菜の味が染み込んだ深い味わいのトマトソース、2つの卵、その上のチーズの組み合わせが絶妙で、とても美味しい一品でした。

ブダペスト7区にあるコーシャレストランCafe Tamarでオーダーしたシャクシュカ。味わい深くて素晴らしい味、小鍋の下の切り株の敷物も可愛い

ユニークな細長いパンの隣には、新鮮な野菜を切って混ぜたシンプルなサラダ。
バターとジャムの他に、タヒーニ(ゴマのペースト)・クリームチーズ・ツナなどのディップが並んでいます。
いろんな味をちょっとずつ試せて嬉しいです。

本宮愛栞(もとみや あいか)

気のせいかもしれませんが、「コーシャ料理」と思っていただくと、シャクシュカやディップ類もどこか神聖なものに感じられました。

ブダペスト7区にあるコーシャレストランCafe Tamarの朝食セットのディップ類は5種類、さらにジャムとバターもあって、サラダもたっぷり


実際、こうした料理はコーシャの規則を熟知したシェフが、ラビによる認証とチェックを受けながら調理しているそうです。

1人で訪れたので全部は食べきれませんでしたが、箱をもらえたのでテイクアウトしました。
せっかくなので色々注文したい方は、持ち帰りを前提にオーダーしてもいいですね。

本宮愛栞(もとみや あいか)

入店する前は少しドキドキしましたが、思い切って入ってみてよかったです。

食事も美味しく、どこか特別な雰囲気も印象に残りました。

小さなお店なので、時間帯によっては混んでいたり、料理が出てくるまでに少し時間がかかることもある様子。
訪れる際は、余裕をもったスケジュールで行くのがおすすめです。

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Cafe Tamar(カフェ・タマル)への行き方・基本情報

住所Budapest, Nagy Diófa u. 3, 1072
アクセスBlaha Lujza tér駅から6分
もしくは、Astoria駅から徒歩8分
Facebookhttps://www.facebook.com/profile.php?id=100087668251148
(あまり更新されていないので、Google Mapsも要チェック)
メニュー朝食メニュー 5,490フォリント〜
シャクシュカ 4,290フォリント〜
フムスなどの前菜系 3,290フォリント〜
パスタ・ピザ 4,490フォリント〜
魚料理 9,590フォリント〜
デザート 2,990フォリント〜
コーヒー 990フォリント〜
※サービス料は別途12.5%
営業時間日〜木曜日 08:00〜21:00(22:00?2025年9月は22:00まで営業しているそうです)
金曜日は08:00〜16:00
定休日土曜日
ユダヤ教の祝日も定休日
ドハーニ通りのシナゴーグの公式サイトなどで、ユダヤ教の祝日は確認可能
(FacebookやGoogle Mapsでは閉店日が正しく表示されていない可能性があります)

偶然見つけたのですが、Cafe Tamarの2本後ろの通りにあるEGGI Breakfast & Coffeeというお店がかなり賑わっていました。
コーシャレストランではないですが、シャクシュカなども置いてある人気の朝食〜ブランチレストランのようです。
万が一、ユダヤ教の祝日等でCafe Tamarがクローズしていたら、EGGIものぞいてみてください。08:00〜15:30まで営業していて、日曜日が定休日です。

または、こちらもコーシャレストランではないですが、人気の朝食レストランCIRKUSZも徒歩6〜7分の距離です。

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【まとめ】ブダペストで気軽に体験できるコーシャ料理

ブダペストの7区には、かつてヨーロッパ最大規模と言われたユダヤ人街が広がり、今もシナゴーグやコーシャレストランを通してユダヤ文化に触れることができます。

お肉中心のコーシャレストランはどうしても高級寄りになりがちですが、カフェスタイルのお店なら比較的入りやすく、旅行の合間に立ち寄るのにもぴったり。

今回ご紹介したCafe Tamarは、そんな「コーシャ料理を気軽に体験できる場所」として、おすすめできる一軒です。
ユダヤ文化に触れてみたい方や、ハンガリー料理以外の選択肢を探している方は、ぜひ訪問先のリストに加えてみてください。

ブダペスト7区を中心に、ユダヤ人の歴史を知ることのできるスポットをまとめました。

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