【ショプロン観光ガイド】ブダペストから日帰りで楽しむ歴史ある旧市街

ショプロンの旧市街にある火の見の塔やシュトルノー家の館などの風景

ハンガリー北西部、オーストリアとの国境近くにある街「ショプロン」は、観光地としても人気のある歴史ある場所です。

ローマ時代に起源をもつショプロンは、中世には要塞都市として発展。
現在の旧市街には、中世の街割りを引き継ぎつつ、バロック様式の建物が立ち並び、歴史の重なりを感じさせてくれます。

人口約6万人と中規模ながら、見どころがコンパクトにまとまっていて、気軽に散策しやすいのも魅力的。

また、周辺はワインの産地としても知られ、美しい街並みと一緒に美味しいワインが楽しめるのも嬉しいポイントです。

りり

第一次世界大戦後、オーストリアに編入される可能性がありましたが、住民投票の結果ハンガリーにとどまり、「忠誠の街」として知られるようになりました。

そんなショプロンへ、とある6月の平日にブダペストから電車で日帰り旅行をしてきました
現地にはおよそ6時間半滞在しましたが、駆け足なら4時間程度でも主な見どころを巡ることができそうです。

「もう少し下調べしておけばよかったかも…」という小さな失敗もありましたが、それも含めて旅の楽しさ。
今回は、そんな体験も交えながらショプロンの魅力をご紹介していきます。

これから訪れる方の参考になれば嬉しいです。どうぞ最後までお付き合いください🎉

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この記事を書いた人

りり / 旅で感じたことを、誰かのヒントに。

🌏 ブダペスト在住19年。世界50カ国以上を旅した1人旅好き。
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目次
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ショプロンってどんな街?

ハンガリーの街「ショプロン」にあるローマの遺跡

ショプロンの起源ローマ時代。当時は「スカルバンティア(Scarbantia)」という名で呼ばれ、交通と商業の重要な拠点として栄えていました。

りり

街の中心部には今もローマ時代の遺構が残っていて、長い歴史の積み重ねを感じることができます。

中世には自由都市として発展し、ハンガリー王国でも屈指の商業都市となったショプロン。
オスマン帝国との戦いやハプスブルク家の統治を経ても、文化と経済の中心地としての地位を保ち続けました。

ハンガリーの街「ショプロン」の旧市街の通りと家の並び
高さを抑えた素朴な外観の家々が並び、中世にタイムスリップしたような感覚を楽しめます

1921年、第1次世界大戦後の国際条約のもと、この地域はオーストリアに編入される可能性がありました。
しかし、行われた住民投票で、ショプロン市民の多数が「ハンガリーにとどまる」ことを選択。

この出来事により、ショプロンは「祖国への忠誠を貫いた街」として、ハンガリー国内で特別な尊敬を集めています。

ハンガリーの街「ショプロン」にはドイツ語の表記も多い。デンタルクリニックの看板

オーストリアとの国境に位置しているため、街にはハンガリー語とともにドイツ語も多く見られ、文化や建築にはオーストリアの影響も色濃く残っています。

一時期は「歯科ツーリズム(dental tourism)」の目的で多くの人が訪れていたショプロンですが、現在はその勢いもやや落ち着いてきた印象。
とはいえ、物価の安いハンガリーで高品質な治療を受けられるという魅力は変わらず、特にオーストリア人向けの歯科クリニックは今も多く見られます。

現在でも、中高年層を中心にオーストリアやドイツから通うリピーターが多いと言われています。

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ショプロンの見どころ

ハンガリーの街「ショプロン」の記念写真スポット(SOPRONの文字が並ぶ)

ショプロンの見どころは、ほとんどが旧市街の中心部にぎゅっと集まっています。
入場料を払ってしっかり観光するのもよし、ローマ時代の遺跡や歴史ある街並みをぶらぶら歩いて楽しむのもおすすめです。

ショプロン旧市街に2023年に整備された「Múzeumnegyed(ミュージアム地区)」は、建物内や中庭を歩きながら、複数の展示を見て回れる構造になっています。

入り口を入ってすぐのところで、チケットも販売されています。

ハンガリーの街「ショプロン」の「ミュージアム地区」のメインの建物

「オールイン(ALL IN)」チケットで9ヶ所の展示スペースを、「アラカルト(A La Carte)」でお好みの3ヶ所の展示スペースを見て回れるのでお得です。

りり

「火の見の塔」や「シュトルノー家の館」も共通チケットで入場できます。

ただし、月曜日は「火の見の塔」以外、全てがクローズしているので気をつけましょう!!


ミュージアム地区内には、ギフトショップや無料の展示スペースもあるので、ぜひ入場してみてください。

ハンガリーの街「ショプロン」の「ミュージアム地区」のメインの建物の内部
ミュージアム地区の建物内部。ほとんどの展示会場がこの建物内か、この建物から繋がった場所にあります

ショプロンの美術館・博物館の紹介や、チケットの値段についてはこちらで確認できます。
Sopron Museumhttps://sopronimuzeum.hu/en/tickets

2025年6月現在、「オールインチケット(9ヶ所)」は9,000フォリント、「アラカルトチケット(3ヶ所)」は5,000フォリントです。
各展示会場の個別の入場料は1,500〜3,000フォリントなので、共通チケットはお得です。

共通チケットでは入場できず、別途入場料の必要な場所(旧シナゴーグなど)もあるのでご注意ください。

私は下調べ不足だったのですが、日帰り旅行だったので、とりあえず3ヶ所に入場できる「アラカルトチケット」を買ってみました。

このあとは、実際に私が訪れたスポットを中心に、街歩きの様子や中の展示内容などをご紹介していきます。

火の見の塔(Tűztorony)

ハンガリーの街「ショプロン」の火の見の塔の外観

「オールインチケット」や「アラカルトチケット」で入場できます。

ショプロンのシンボルともいえる「火の見の塔(Tűztorony)」は、かつて見張りや火災監視のために使われていた塔です。
高さは約58メートルで、内部の螺旋階段をのぼると、旧市街の美しい屋根や遠くの山々まで見渡すことができます。

りり

現在は観光客向けに開放されていて、ショプロン観光のハイライトのひとつになっています。

火の見の塔への入り口は、塔の門をくぐった左側にあります。ここの受付でチケット購入も可能です。

ハンガリーの街「ショプロン」の火の見の塔の入り口は、門の後ろ側にある

受付で共通チケットを見せて入場。
早速階段を上っていきます。上の階へ向かうにつれ、階段の幅がだんだん狭くなっていきます。

ハンガリーの街「ショプロン」の火の見の塔へ上る階段
ハンガリーの街「ショプロン」の火の見の塔へ上る階段
りり

最後はやはり、ヨーロッパの塔やイスラム圏のミナレットではおなじみの、ぐるぐるの螺旋階段がでてきました。

ハンガリーの街「ショプロン」の火の見の塔へ上る螺旋階段。現地の学生グループが上る様子

そこまできつい上り階段ではありません。下から展望台まで、ほとんど誰もいなかったので3分程度で到着しました。

ハンガリーの街「ショプロン」の火の見の塔の展望台にいる現地の学生たち
火の見の塔では、遠足と思われる学生のグループ2組に遭遇しました

展望台からは、ぐるりと360度の絶景が楽しめます。中でも中央広場を見渡すこの眺めは、とても人気があります。

ハンガリーの街「ショプロン」の火の見の塔から中央広場を眺めた景色

なお、火の見の塔の下には、「Időkapu(時間の門)」という名の展示会場があって、ローマ時代〜中世の彫刻石材コレクションが見学できます。

りり

火の見の塔の出口を出て、なんとなく流れで見学したのですが、今調べると別料金が必要だったっぽいです💦

とはいえ、特にお咎めがあったわけではなく、塔の見学ルートの一部のような導線で、そのまま入れてしまいました。

展示会場は、塔の入り口付近の扉の手前からも一部見えるので、わざわざ入場しなくてもある程度雰囲気は感じられます。

ハンガリーの街「ショプロン」の火の見の塔の入り口付近にある、「時間の門」の展示

展示会場には、ローマ時代の墓碑や建築彫刻の断片、中世の建築装飾、由来不明の石材などが、博物館資料として保存されています。

ハンガリーの街「ショプロン」の火の見の塔の入り口付近にある、「時間の門」の展示
ハンガリーの街「ショプロン」の火の見の塔の入り口付近にある、「時間の門」の展示
奥正面の扉が火の見の塔への入り口です
火の見の塔の情報
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聖母マリア被昇天教会<通称:ヤギ教会>(Soproni Nagyboldogasszony templom)

ハンガリーの街「ショプロン」の中央広場。聖母マリア被昇天教会や、三位一体の像がある

ショプロン旧市街の中心、中央広場に建つ14世紀のゴシック様式教会へは、無料で入場が可能です。

正式名は「聖母マリア被昇天教会」ですが、「ヤギ教会(Kecske-templom)」の通称で親しまれています。

りり

ある日、ヤギが地面を掘って宝物を見つけ、その財宝で教会が建てられたという伝説から「ヤギ教会」と呼ばれているそうです。

ハンガリーの街「ショプロン」の聖母マリア被昇天教会の内部

戦乱や疫病で他都市が使えなかった時代、この教会で当時の王族の戴冠式が行われたという由緒ある教会です。

内部は思ったよりも素朴な印象。親しみやすい雰囲気を感じました。

聖母マリア被昇天教会(通称:ヤギ教会)の情報

シュトルノー・コレクション(Storno-gyűjtemény)

ハンガリーの街「ショプロン」のシュトルノー・コレクションの部屋。落ち着いた雰囲気の食事の間
シュトルノー家の食事の間。壁にはハンガリーや周辺諸国のプレートなどが飾られています

「オールインチケット」や「アラカルトチケット」で入場できます。

シュトルノー・コレクションは、ショプロンの中央広場に面した歴史的建物「シュトルノー家の館」の2階にあります。

現在は8部屋が博物館として一般公開されていて、シュトルノー・フェレンツ(Storno Ferenc)が家族と暮らした部屋と、彼らが収集した美術品や家具を見学できます。

りり

作曲家のリスト・フェレンツ(フランツ・リスト)や、近代ハンガリーの父セーチェーニ・イシュトヴァーンなども訪れたと伝えられています。

ハンガリーの街「ショプロン」のシュトルノー・コレクションの部屋。バルコニーが印象的な部屋
ステンドグラスの窓とガラス絵が印象的な、バルコニーのある部屋

シュトルノー・フェレンツは、もともとは煙突掃除人として働いていたスイス系オーストリア人です。

建築装飾や修復の腕が評判を呼び、成功を収めてショプロンの中央広場に建つこの立派な建物を、1872年に自らの手で購入しました。

ハンガリーの街「ショプロン」のシュトルノー・コレクションの部屋。ドイツルネッサンス風のシュトルノーの書斎
シュトルノー・フェレンツの書斎は、本人と息子(同姓同名)が1875年に装飾を仕上げました
ハンガリーの街「ショプロン」のシュトルノー・コレクションの部屋。ドイツルネッサンス風のシュトルノーの書斎の天井とシャンデリア
この部屋はドイツ・ルネサンス風を意識して作られています

各部屋ごとに部屋紹介のA4サイズのパネルがおいてあるので、説明を読みながら巡ってみてください。

落ち着いた雰囲気の中にも、天井や壁が豪華に装飾された部屋もあり、時折「おっ」と目を引かれます。
全体的に静けさの漂う展示ですが、当時の暮らしと美意識の豊かさがじわじわ伝わってきて、印象に残りました。

ハンガリーの街「ショプロン」のシュトルノー・コレクションの部屋。来客を迎えるサロンは金色を用いて鮮やか
来客を迎えるサロンとして使われていた部屋
天井画のまわりには、紋章で区切られた帯状のスペースに、詩や人生訓、格言のような文が描かれています
シュトルノー・コレクションの情報
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「ささやく石」展示会場(Suttogó Kövek)

ハンガリーの街「ショプロン」の囁く石展示会場。薄暗くて古い石碑などが並んでいる

「オールインチケット」や「アラカルトチケット」で入場できます。

「ミュージアム地区」の建物内部から、隣の建物の敷地へ向かい、階段を降りた地下室に「ささやく石」の会場があります。

ローマ時代の石棺や記念碑、石彫品などを間近に見ながら、各所に置いてある音声ガイドで“ささやくように”物語を聞ける体験型展示です。

一見地味な灰色の石ですが、かつては鮮やかな色に彩られ、人々の信仰や人生の節目を語っていたそう。

ハンガリーの街「ショプロン」の囁く石展示会場。薄暗くて古い石碑などが並んでいる

あまり下調べせずに入ってしまったのですが、火の見の塔の展示と雰囲気が少し似ていたので、「建物の上にある、別の展示にしたほうがよかったかな…?」と、ほんの少し思いました💦

3か所入場できる共通チケットを使う場合は、事前にざっくり行き先を決めておくことをお勧めします!

「ささやく石」展示会場の情報

公式ウェブサイト:https://sopronimuzeum.hu/en/programs/whispering-stones
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/Dyi7mjfjLVRVw2p17(ミュージアム地区内)

ショプロンの城壁遊歩道(Várfalsétány)

ハンガリーの街「ショプロン」の城壁跡と遊歩道

旧市街の外縁に沿って整備された「城壁遊歩道」は、かつて中世のショプロンを守っていた城壁の名残をたどることができる、静かな散策路です。

りり

遊歩道はショプロンの旧市街の北側の部分にあって、無料で行き来できます!

ハンガリーの街「ショプロン」の城壁跡の遊歩道のマップ
ハンガリーの街「ショプロン」の城壁跡と遊歩道

城壁遊歩道の途中には、まるで突然“ローマ”が現れたかのような遺跡エリアも。
ここは、かつてこの地にあったローマ都市スカルバンティアの一部で、防壁や建物の基礎が今も残されています。

ハンガリーの街「ショプロン」の城壁跡の内側にある遺跡
この遺跡が発掘されたのは1966〜2000年にかけてで、比較的最近のことです

城壁跡に寄り添うように並ぶ住居が、まるで風景に溶け込んでいるかのようで印象的です。

ハンガリーの街「ショプロン」の城壁跡付近にならぶ住居群

かつて街を守っていた城壁跡に沿って歩ける、静かな散歩道。歴史の余韻に包まれて、のんびりとお散歩をお楽しみください。

ハンガリーの街「ショプロン」の城壁跡と教会
城壁の奥に見えるのは聖ゲオルギオス教会
ショプロンの城壁遊歩道
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旧シナゴーグ(Ó-Zsinagóga)

ハンガリーの街「ショプロン」の旧シナゴーグの入り口の様子

コンビネーションチケットでは入場できないので、別料金が必要です。(2025年6月現在、1,400フォリント)

旧シナゴーグ(Ó-Zsinagóga)は、14世紀に建てられた中世ゴシック様式のユダヤ教会堂。

長らく建物に埋もれて存在が忘れられていましたが、1968年に再発見され、修復を経て現在は博物館として公開されています。

ハンガリーの街「ショプロン」の旧シナゴーグの礼拝堂
ハンガリーの街「ショプロン」の旧シナゴーグの礼拝堂の天井

男性が集まる礼拝堂は、ゴシック様式の高い天井とアーチが印象的。
中央には朗読台(ビーマ)が設けられ、東壁には律法の巻物を納めるアロン・ハコデシュ(聖櫃)があります。

ハンガリーの街「ショプロン」の旧シナゴーグの礼拝堂の後ろにある女性の礼拝室

礼拝堂の後方には女性のための礼拝堂があり、壁の小窓越しに様子をうかがう形になっています。
この部屋では、ユダヤ人の生活用品や宗教用品の展示も見学できます。

ハンガリーの街「ショプロン」の旧シナゴーグの礼拝堂の後ろにある、女性の礼拝室の覗き窓の様子

ショプロンの旧シナゴーグでは、ユダヤ教の宗教的沐浴所である「ミクヴェ(mikve)」の跡が残っているのが特徴的です。

中世のミクヴェがこれほどはっきりと残っているのは非常に珍しいそうで、当時のユダヤ人コミュニティの信仰と暮らしぶりを感じられる貴重な空間です。

ハンガリーの街「ショプロン」の旧シナゴーグのミクヴェの外観
ハンガリーの街「ショプロン」の旧シナゴーグのミクヴェ様子とイラスト

雨水を利用し、地下から上がってくる自然の水を貯めて使うのが特徴で、女性の清めや礼拝前の身を清める目的で使われていたそうです。

旧シナゴーグ

Várkerület通り沿いの見どころ

ハンガリーの街「ショプロン」のVárkerület通りにある忠誠の泉
忠誠の泉

Várkerület(ヴァールケルレト)通りは、ショプロン旧市街の北側から南東にかけて、ぐるりと囲むように走る明るい雰囲気の環状通りです。

火の見の塔からVárkerület通りへ向かって歩くと見えてくるのが、忠誠の泉(Hűségkút)。
これは2003年に設置された比較的新しい噴水で、ショプロン市民が歴史的に示したハンガリーへの忠誠心を称えるモニュメントです。

忠誠の泉のマップ
ハンガリーの街「ショプロン」のVárkerület通りの近くにFestő közの様子。レンガのアーチが印象的

Várkerület通りの北側には、レンガ造りのアーチが印象的な細い路地が。Festő köz(フェシュトー通り)という名で「青染職人の小道」の意味です。

かつて、イクヴァ(Ikva)川の水を使って布を染めた後、この細道を通って職人たちが布を運び、乾かしていた歴史がその名に刻まれています。

りり

現在では、写真スポットとして人気です!

青染職人の小道のマップ
ハンガリーの街「ショプロン」のVárkerület通りにあるライオン薬局。ジョルナイ陶器の装飾が美しい
ゴージャスな外観の薬局です

こちらは、Várkerület通りで偶然見つけた「ライオン薬局(Oroszlán Gyógyszertár)」。
壁には美しい植物モチーフの装飾が施されていて、これはハンガリーが世界に誇る「ジョルナイ陶器(Zsolnay)」です。

ブダペストの建物の屋根や装飾でもよく見かけるジョルナイは、少し色褪せてはいましたが、ショプロンでも静かに輝いて見えました。

ジョルナイ陶器が生まれた、ハンガリー南部の街ペーチも素敵なところです!!

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ライオン薬局のマップ
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ショプロンのレストラン・ワインバー

ハンガリーの街「ショプロン」の人気レストランErhardt Etteremの外観
ショプロンの有名レストラン「Erhardt Étterem」
プチホテルも併設されているので、観光の拠点にもできまうs

ショプロンは、美しい街並みだけでなく、ハンガリー産ワインや上質な食事をゆったり楽しめる場所としても魅力的です。

地元ワインと料理の相性を堪能できるレストランや、気軽に立ち寄れるワインバーまで、個性豊かなお店をご紹介します。

エルハルト・レストラン(Erhardt Étterem)

ハンガリーの街「ショプロン」の人気レストランErhardt Etteremのテラス席
レストランの中庭にテーブル席がずらりと並びます

ショプロン旧市街のはずれにあるErhardt Étterem(エルハルト・レストラン)は、地元で評判の落ち着いたレストラン。
ショプロンのレストランといえば必ず名前の挙がる、ワインセラー併設の有名店です。

一度も行ったことがなかったので、今回初めて足を運びました。

ハンガリーの街「ショプロン」の人気レストランErhardt Etteremでオーダーした白ワイン

30度近くある暑い日だったので、まずは冷たい白ワインをオーダー!

ショプロン地方でよく飲まれている白ブドウ品種「Irsai Olivér(イルシャイ・オリヴェール)」は、マスカットのような華やかな香りが特徴で、口当たりは軽やか。爽やかで飲みやすい一杯です。

りり

お食事については、「平日のランチメニュー」にしてみました。
テーブルに案内はなかったのですが、公式ウェブサイトに案内があります。

ハンガリーでは「スープ」+「デザート」を食事にする人も結構いるのですが、今回のランチメニューもちょうどこの組み合わせ。

最初に出てきたのはお馴染みのグヤーシュスープ。牛肉ではなく豚肉でしたが、野菜もたっぷり入っていました。

ハンガリーの街「ショプロン」の人気レストランErhardt Etteremでオーダーしたランチメニュー
最初に出てきたのがグヤーシュスープ。ハンガリーにしては(?)小さめサイズのお皿でした
トゥーローシュゴンボーツは、可愛いサイズでたくさん出てきてびっくり!

2品目のデザートは「トゥーローシュゴンボーツ」。
小麦粉やじゃがいもを使った生地で、ハンガリーのカッテージチーズ「トゥーロー」を包んだお団子に、炒ったパン粉をまぶしていて、個人的に大好きなデザートです。

小さめのスープとデザートの組み合わせだったので、ちょっと優雅なおやつ時間のような感覚でした。

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ランチメニューの組み合わせにもよりますが、しっかり食事を楽しみたい方には、アラカルトでメイン料理を選ぶのもおすすめです!
そのほうが、旅先での思い出にも残りやすいと思います。

ハンガリーの街「ショプロン」の人気レストランErhardt Etteremのお肉料理の画像(レストランウェブサイトより)
エルハルト・レストランのアラカルトメニューのイメージ画像 / 画像引用元:レストラン公式ウェブサイト
エルハルト・レストランの情報

ワインバー

ワインの産地ショプロンには、気軽にワインを楽しめるワインバーがいくつかあります。
お酒好きな人なら、ワインと一緒にチーズやハムをつまんで過ごすのも、きっと楽しく思い出に残るはずです。

りり

午後〜夕方から営業開始する場所が多いですが、日帰りでも時間的に立ち寄れるワインバーもあります!

私が今回ふらっと立ち寄ったのは、Google Mapsのレビュー評価がとてもいい「Tastevino borbár és vinotéka(テイストヴィノ・ボルバー・エーシュ・ヴィノテカ)」というワインバー。
火〜土曜日の午後1時から営業しています。

ハンガリーの街「ショプロン」のワインバーTastevino borbarの店内の様子

かなりこぢんまりとしたお店で、入るのに少しだけ勇気がいりました。
でも、スタッフの方はとてもフレンドリーで、ワインを1杯だけ注文した私にも嫌な顔ひとつせず、気持ちよく対応してくれました。

私がいただいたのは、「ZACHÁR(ザハール)」というワイナリーの赤ワインKékfrankos(ケークフランコシュ)。
ケークフランコシュは、ショプロン周辺でよく栽培されているハンガリーを代表する赤ワイン用ブドウ品種で、ほどよい渋みと爽やかな酸味が特徴。

ややスパイシーな香りと軽やかな口当たりを味わいました。

ハンガリーの街「ショプロン」のワインバーTastevino borbarの店内の様子とオーダーした赤ワイン
ワイン1杯とソーダ水で1,000フォリントでした
Tastevino borbár és vinotékaの情報

公式ウェブサイト(ハンガリー語):https://www.tastevino.hu/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/SrxZVKuoLyAMwtSx7

今回は行けなかったのですが、以前訪れて良かったのが「Cézár Pince(ツェーザール・ピンツェ)」という、ワインセラーも併設された雰囲気のいいワインバーです。

ハンガリーの街「ショプロン」のワインバーCezar Pinceの雰囲気のよい店内の様子
画像引用元:公式ウェブサイト
りり

営業開始が16時なので、ショプロンに宿泊する場合や、夜の電車で日帰りする時に利用できます!
(ただし、日曜日は定休日なのでご注意ください。)

2018年に訪れた時の画像が残っていました。
ハウスワインは気軽に飲み比べもできる値段設定で、2025年現在でも、100mlで400フォリント(約160円)と良心的。

ハンガリーの街「ショプロン」のワインバーCezar Pinceでオーダーしたワインやフルッチ

もちろん、地元ワイナリーの銘柄ワインもメニューにずらりと並んでいて、グラス一杯からオーダー可能。

現在のメニューにはないのですが、Fröccs(フルッチ)」と呼ばれるワインのソーダ割りも以前オーダーしていました。多分、お願いしたら作ってもらえます。 

また、「MUST(ムシュト)」と呼ばれる発酵前のブドウ果汁もあります。
ワインになる前のぶどうジュースのようなもので、アルコールはほぼ含まれていないため、お酒が苦手な人や子供でも大丈夫です!

ハンガリーの街「ショプロン」のワインバーCezar Pinceのおつまみプレートの様子

ワインのお供には、ハンガリーらしいおつまみプレートを注文。スモークチーズやハム、ピクルスに紫玉ねぎ、そして削ったホースラディッシュ(西洋わさび)がたっぷり。

右の写真は「Disznósajt(ディスノーシャイト)」と呼ばれ、豚の頭の部位(耳やほほ肉、皮など)を細かく刻み、スパイスと一緒にゼラチンで固めたハンガリー伝統の冷製おつまみです。

夫のリクエストでオーダーした一品で、見た目はちょっとワイルドでしたが、ぷるぷる&コリコリした独特の食感を楽しめました。

Cézár Pinceの情報

公式ウェブサイト(ハンガリー語):http://www.cezarpince.hu/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/wjGakazeHR9hoUd29

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ショプロンへの行き方

ハンガリーの街「ショプロン」の鉄道駅
ショプロン駅

ショプロンへは電車でのアクセスが便利です。

鉄道駅から旧市街の入り口までは徒歩10分程度。そこから街並みを楽しみながら歩けば、見どころの多い旧市街北側エリアまではさらに7〜8分ほどです。

ショプロン鉄道駅

ブダペスト〜ショプロン間

ブダペストの東駅似停車するショプロン行きの電車。緑と黄色の外観が、他のハンガリーの電車と異なる
ブダペスト東駅似停車しているショプロン行きの電車
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2025年6月現在、ショプロン行きの電車は、ブダペスト東駅から2時間に1本出発しています。(どの駅から出発するか、必ずお手持ちのチケットでご確認ください。)

ブダペストからショプロンまでの所要時間は約2時間30分。
ブダペストとショプロン間は、ハンガリーとオーストリアが共同運営する「GYSEV(ジェーシュエーヴ)」という会社の電車が走っています。

MÁV(ハンガリー国鉄)とは別の運営ですが、ハンガリー国鉄のサイトで普通に予約できます。

りり

GYSEVの電車は、外観が鮮やかな緑色をしていて、ハンガリー国鉄の車両とはひと目で見分けがつきます。

ただし、車内はハンガリーらしい雰囲気で、少しレトロな印象を受けるかもしれません。

GYSEVの車両は、私が調べた限りでは全てコンパートメントタイプの席でした。

ブダペスト〜ショプロン間の電車の車内。コンパートメントタイプの2等席

満席でコンパートメントで2時間30分だと結構疲れるかな…と思い、今回は1等車を予約。
席の横幅は2等車と全く同じですが、足元の幅がほんの気持ち分だけ広めで、シートは2等車よりは新しいものでした。

ブダペスト〜ショプロン間の電車の車内。コンパートメントタイプの1等席

ハンガリー国鉄の予約方法などは、こちらのサイトをご参照ください。
ちなみに、私が利用したショプロン〜ブダペスト間の電車が約30分遅れた際、運賃の半額が自動的にクレジットカードに返金されました。
2025年6月1日からは、20分以上の遅延が発生した場合に運賃の半額が返金される制度が始まっており、オンラインでチケットを購入していれば手続き不要で返金されるのでとてもスムーズです。

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ショプロンからウィーンへは直接行ける?

オーストリアの国境に近いショプロン。
ウィーンへ直接行けるといいのですが、結論からいうと、直行便は朝早い時間帯にしかなく、あとはオーストリア内で1回乗り換えのルートになります。

直行便でも乗り継ぎがあっても、ウィーンまでかかる時間は1時間15分程度です。

りり

ハンガリー国鉄で検索をしてもでてきません。
ÖBB(オーストリア連邦鉄道)のウェブサイトで検索してください。

乗り継ぎの場合、乗り継ぎ時間が5分などかなり短いですが、乗り継ぎ駅の規模は小さそうです。

私はこのルートでウィーンへ行ったことがないのですが、移動したことがある方はぜひ様子を教えてください!

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【まとめ】ブダペストから日帰りOK!魅力的なショプロンの街

ハンガリーの街「ショプロン」の火の見の塔と城壁遊歩道の様子
中央広場から火の見の塔の門をくぐった後にある、城壁遊歩道の様子

歴史の重なりが感じられるショプロンは、ローマ時代に始まり、ハンガリーとオーストリアの文化が交差する魅力的な街です。

ブダペストからは電車で片道約2時間半。コンパクトにまとまった旧市街は、日帰りでも十分楽しめます。

りり

街のシンボル「火の見の塔」や、発掘された旧シナゴーグ、美術品が並ぶシュトルノハウスなどは、主に旧市街の北側に集まっています。

街歩きのあとは、近郊のワイン産地で育まれたワインとともに、美味しい食事をゆっくり味わってみてください。

もちろん、時間に余裕があれば宿泊もおすすめ!
夜は観光客が減って静かになり、ほんのりライトアップされた街並みが美しいです。ワインもゆっくり味わえますね。

ショプロンが気になっていた方は、今回の記事をヒントに、のんびり旅してみてください。
少しでも参考になる情報があれば嬉しいです。

ショプロンからバスで約1時間の場所に「ハンガリーのベルサイユ」と呼ばれるエステルハージ宮殿があります。ショプロンに宿泊予定の方は、宮殿へも足を伸ばしてはいかがですか!?

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