ハンガリーの首都ブダペストだけでなく、地方へお出かけする予定がありますか?
ハンガリー国内の中〜長距離移動は、ハンガリー国鉄(MÁV)や長距離バス(Volánbusz)を利用することになります。
私もハンガリー国内の旅行では、列車やバスを利用しています。
列車のあるルートでは、列車を選択することがほとんどです!
ハンガリー国鉄はよく利用するものの、同じルートなのに夏と冬では列車の種類が違ったり、座席指定が義務だったり義務でなかったり、料金体系が色々だったり。
チケット予約時によく分からないも多く、ハンガリー国鉄にはしょっちゅう電話で問い合わせしています。
ハンガリー国鉄を何度も利用しているので、知っていることが増えてきました。
それらの情報を、今回の記事でシェアしたいと思います。
書いていない内容や、他に知りたいことがある場合は、「お問い合わせ」より具体的にご連絡ください。代わりにハンガリー国鉄に問い合わせしてみます!
今回の記事では、「ハンガリー国鉄を利用する前に、知っておきたいこと12選」および「電車のチケットの購入方法」について説明していきます。
ハンガリー国鉄で旅行を計画されている方、チケットの買い方が分からない方、きっと参考になる情報がありますので、ぜひ最後まで目を通していってください🎉
りり / 旅行大好き
ハンガリーの首都、ブダペスト在住19年
1人旅が大好きで、世界50カ国以上を訪問
東京で旅行会社に4年勤務経験あり
ヨーロッパに長年いるけれど、実はインドや暖かい国が大好き
旅のプロとして、みなさんに役立つハンガリー情報や、旅行情報をお届け中!
ハンガリー旅行に関するお問い合わせもお気軽にどうぞ!
ハンガリー国鉄を利用する前に、知っておきたいこと12選
2020年に長男が生まれて以降、ハンガリー国内を旅することが以前よりも多くなり、ハンガリー国鉄のサービスにはよくお世話になっています。
ハンガリー国内を列車で旅するみなさんに、ぜひ共有しておきたい情報を12つの項目にまとめました。
電車のチケット購入方法を知りたい方は、1つ先の段落へ飛んでください。
ブダペストの国鉄主要駅は3つある
ブダペストから地方へ出発する場合、主要駅は以下の3つです。
- 西駅(Nyugati pályaudvar)– ペスト側
- 東駅(Keleti pályaudvar)– ペスト側
- 南駅(Déli pályaudvar)– ブダ側
出発の駅を間違えないよう、お持ちのチケットをよく確認してください。
主に夏の期間、線路工事等の理由で出発駅が異なる場合もあります。(南駅から出発せずに、1つ先のKelenföld発になっているケースなどあり。)
チケットを買える場所は主に4か所
ハンガリー国鉄のチケットを購入する方法は(旅行会社などを除けば)主に以下の4つがあります。
- 鉄道駅の窓口(確実&安心)
- 鉄道駅の自動販売機
- ハンガリー国鉄のウェブサイト”ELVIRA”(個人的に一番おすすめ!)
- ハンガリー国鉄の携帯アプリ
記事の後半で、私が普段よく使うハンガリー国鉄のウェブサイト”ELVIRA”からチケットを予約する方法を説明します。
日本にいても、あらかじめチケットを購入することができるので、予定が決まっている場合は便利です!
チケットの打刻は不要、スマホ内のチケットの打ち出しも不要
ハンガリー国鉄のチケットは、乗車前に打刻する必要はありません。
駅で購入した紙のチケット、もしくはウェブサイトやアプリで購入したチケットのQRコードを、車内で車掌さんに提示するスタイルです。事前の打刻は不要です。
ウェブサイトやアプリで購入したチケットを打ち出す必要もありません。スマホの画面のQRコードを提示できれば大丈夫です。(心配な方は、事前に打ち出して準備するのでももちろん問題ありません。)
電車の車両にはいろいろなタイプがある
ハンガリー国鉄で使われている電車の車両タイプは様々です。
10年前には見られなかったようなすごくモダンで快適な車両もあれば、ややレトロ、かなりレトロ、「こんなの今どき走ってるの!?」とびっくりするような車両もあります。びっくり系は地方に多いです。
古い電車に当たっても、数時間の間、レトロ感や異国情緒をお楽しみください。
連結している車両のタイプが異なることもよくあります。
テーブルを4席で囲んでいるタイプの並びが続く車両もあれば、コンパートメントタイプ(通常6席)で扉が閉められるタイプ、半分が自転車専用車両になっているものなど色々。
座席予約が必要な同じ2等車でも、料金は同じなのに2号車はエレガントな雰囲気で、3号車はいつもの青い座席だったり、なんで列車の種類が違うのかな?と個人的には気になることが多々。いまだによく分かりません。
国を超えて走る電車の場合は、いくつかの国の車両が連結しています。
車両の見た目や色、書かれている文字が異なっていて、チグハグ感が面白いです。
列車に乗車後、内部で行き来できない(連結部分が内部でつながっていない)ことがほとんどです。
予約席があるルートの場合は、シートプランも事前にチェックできます。次の項目で説明します。
シートプランを見て座席指定ができる(NEW!!)
座席指定してるのに誰かが勝手に座っている可能性もある
座席指定が必要な車両の場合、(とうとう!)シートプランを見て座席指定ができるようになりました。
駅の窓口でチケットを買う場合も同様で、窓口の担当者さんに「横並びで」とか「テーブルを挟んで正面に座りたい」などのリクエストができます。
以前は細かく座席指定できなかったのですが、今は好きな席を選べるのが嬉しいです!!
座席指定をしたい場合(する必要がある場合)、以下のような画面がでてきます。
「Graphic seat plan」を選択して「Next」ボタンを押します。
すると、シートプランが出てくるので、好きな席を選びましょう!
追加料金が必要な車両の場合は、その旨が表示されます。(下の画像の場合、2等車の料金を選択していますが、1等車の座席の閲覧も可能になっています。)
座席指定は出発の直前にはできないので、ご注意ください!
そうやって選んだ席ですが、いざ座ろうと思ったら知らない人が座っているなんてこともしょっちゅう。
理由は大体こんな感じです。
- 座席指定の限定車両と知らずに、座席予約をしていない人が座っているケース
- 座席指定の限定車両ではなく、一部の人のみが座席指定をしているタイプの車両で、座席指定をしていない人が座っているケース
- 単純に席を間違えているケース
- 座席指定券を持っている人でも「こっちの席の方がいいや」と勝手に移動して座っているケース
日本ではあまりないかもしれませんが、ハンガリーではよくある風景です。
特に、始発駅ではなく途中駅から乗車する場合に、誰かが自分の予約した先に座っている場合が結構あります。「ここは私の席です」と説明して、どいてもらいましょう。
65歳以上であれば、国籍や居住地を問わず2等車の乗車券は無料(2等車の座席指定券や1等車の差額分は有料)
65歳以上の方はどなたでも、ハンガリー国鉄の2等車の乗車券代は無料になります!
生年月日が西暦で分かる身分証明書が必要です。パスポートを必ず携帯して、車掌さんに提示してください!
2等車であってもインターシティーなどの優等車両は座席指定券が必要ですが、高くても日本円で500円程度と安いです。
2等車で座席指定の必要のない普通車両も多いので、そちらは完全に無料で利用できます。
「利用するルートにインターシティーはあるのか、座席指定しなくてもいい車両があるのか」が分かりにくいですが、ハンガリー国鉄のウェブサイトで「Senior (65+ years)」を選択してチケット検索をすると、車両と料金(有料なのか無料なのか)が一目瞭然です。
出発時刻と到着時刻が同じ便がある場合は、異なる種類の列車が連結されていることを意味し、座席の料金が異なります。
ブダペスト→セゲド間では、インターシティーの座席指定料が650フォリントです。座席を指定しないで利用する場合(インターシティーではない車両)は、無料なので0フォリントと表示されています。
各時刻のあたりをクリックするとページが開いて、車両の名前などの詳細が現れます。1等席がある場合は、開いたページに料金が表示されます。
座席指定をする必要がない車両を含むルートの場合、何号車が無料で座れる席なのかについては、現地で車掌さんなどに聞いてください。
インターシティー利用ならお得なチケットがある(オンライン予約のみ)
太い青字のルートがインターシティーの走るルート / 画像引用元:ハンガリー国鉄ウェブサイト
インターシティー(InterCity / IC / 優等列車に該当)が運行するルートで、インターシティーの座席を予約する際、正規料金と比べて最大40%の割引のある「Okosjegy(スマートチケット)」を購入できる場合があります。
この特別料金が適用されるのは、ハンガリー国鉄のウェブサイトか、アプリからオンラインで購入した場合に限ります!
ウェブサイトやアプリでチケット検索をする際、Okosjegyを含め一番お得なオファー料金が表示されます。特に「Okosjegy」という記載はありませんが、割引を受けている可能性が高いです。
Okosjegyの数には限りがあるので、旅行日程が決まったら早めに予約するのが吉です。
12月後半〜翌年以降のスケジュールは、10月下旬〜11月上旬まで発表されない
例年、12月後半以降のスケジュールは10月下旬〜11月上旬まで発表されません。
12月後半以降のチケットを購入したい場合は、11月上旬頃まで待ってみてください。
ハンガリーの学生証があれば、50%の学割がある
ハンガリーで学生をしているみなさんは、ハンガリーの学生証で50%の割引が受けられます。
チケット購入時に学割料金で購入してください。
購入時に学生証の提示は不要ですが、車掌さんに提示しないといけないので、必ず携帯していてください。提示できないと罰金が発生します。
小さな売店が付いている車両もある(やや稀)
長距離のメジャーなルートだと、小さな売店付きの車両もあるので、コーヒーや清涼飲料水、スナックなどが購入できます。
ただし、売店がないことの方が多いので、特に暑い季節などは、各自で飲み物などしっかり準備して乗車しましょう。
遅延は日常茶飯事
ルートにもよるのですが、列車が遅れるのはよくあることです。
観光でハンガリーに来ている場合、列車の到着後にすぐ予定を入れていると、間に合わないかもしれないので気をつけてください。
ほぼ定刻で到着したら、超ラッキー!くらいのスタンスでいるのがちょうどいいです。
【ハンガリー国内をくまなく旅する強者向け】1ヶ月の国内定期券を購入すると、国鉄の2等車は乗り放題
ブダペスト交通センター(BKK)で販売している、ハンガリー国内定期券(Országbérlet / 18,900フォリント<約7,800円> / 2024年8月現在)を購入すると、ブダペストの公共交通機関はもちろん、ハンガリー国鉄の2等車乗車券や、長距離バス(Volánbusz)、郊外列車なども全て乗り放題になります!!
例えば、ハンガリーに1週間滞在すると仮定すると、BKKのブダペスト市内乗り放題2週間チケット(1週間チケットはありません)は5,950フォリント。
ハンガリー国内定期券18,900フォリントを購入する場合、ここから5,950フォリントを差し引くと12,950フォリントになります。
この12,950フォリント分を、ハンガリー国鉄や長距離バスで利用する予定がある場合は、しっかり元がとれる計算です。
中〜長距離の列車移動の大人料金は、早めに購入すると片道2,000〜3,000フォリントくらい。ハンガリー国内で4〜6回以上国鉄やバスで移動する場合は、国内定期券を買うのが賢いです!
ただし、2等車の座席指定券(最大1,000フォリント程度)や1等車利用の差額料金は、追加で支払いが必要なので気をつけましょう。
【ハンガリー国鉄のチケット購入】ウェブサイト”ELVIRA”を利用する方法
ハンガリー国鉄のウェブサイトからのチケット購入手続きについてご案内します。
私自身はもう何度もこの方法でチケットを購入していますが、慣れるのに結構時間がかかりましたし、今でも時々使いにくいなと思ってしまうことも…。
初めての方にとっては操作が分かりにくいかもしれないので、こちらの案内をぜひ参考になさってください。
今回は、スマートフォンでハンガリー国鉄のウェブサイトからチケットを購入します。アプリでの購入の場合、画面の色やデザインが異なりますが、手続きの流れは基本的に同じです。
2024年8月現在、オンライン購入割引の条件に国籍やハンガリー国内の住所は問われておらず、誰でも自由に割引を受けられます。
オンライン手続きの最後に住所の入力が必要です。日本という項目がないので、ハンガリーで宿泊予定のホテルの住所を使ってください。
出発地、目的地、日付を入力
今回は”Budpaest”から”Siófok”行きの電車を調べてみます。
Searchを押して検索
時刻表を確認
乗客者データ(👤Adult 🎂 Date of birth)はとりあえず入力せずに飛ばして、下へスクロールして時刻表を確認します。
希望の電車を選択
今回は08時35分発、09時55分着の直通列車を選択します。
料金をクリック
電車の番号や名前(862 Balaton Intercity)が表示されるので一応確認して、料金をクリックします。
乗客のデータ入力欄へ進む
Log inしたことのある人はLog inを、初めての人はRegisterをクリック
個人情報を入力(初めて登録する場合)
プライバシーポリシーと利用規約を確認したらRegisterをクリック(初めて登録する場合)
チケットの料金の確認画面が表示される
%Add discountをクリックして家族割引の手続きをする
家族割引を探すために”33%”をクリック(※2024年4月家族割引終了)
たくさんの種類の割引が表示されるので、33%をクリックして家族割引を探す
表示された”Discount for families… (33%)をクリック(※2024年4月家族割引終了)
”Discount for families…(33%)”が選択されていることを確認(※2024年4月家族割引終了)
”Selected”の表示を必ず確認してください。その後OKボタンで次の画面へ。
家族割引が選択されていることを確認(※2024年4月家族割引終了)
以下のように乗客情報の下に”Descount①””Discount for families…(33%)”が反映されていることを確認する(まだ画面上のチケット料金には反映されておらず、2500フォリントのまま)。Nextボタンをクリック。
再度時刻表のページに飛ぶので、購入したい電車を選択
時刻表のページに戻るので再度電車を選択。ここでは33パーセントの割引料金(2500フォリント→1770フォリント)が反映されています。(※2024年4月家族割引終了)
チケット代金をもう一度確認し、正しければNextをクリック
座席指摘が必要な電車の場合は座席指定をする
座席指定がない電車の場合はこの画面は表示されません。
座席指定の場合、シートマップから具体的に席を選ぶことは残念ながらできません。席の選び方が分からない場合、座席指定をしなくても機械が勝手に席を決めてくれるので大丈夫です。Nextをクリック。
支払い画面が表示される
画面を下にスクロールすると…
さらにオンライン割引5パーセントが反映されていることを確認
自動的にOnline discountでさらに5パーセント割引になっていることが確認できました!
Paymentをクリックして、カードで支払いをしてください。
お子さん連れの方は、ぜひ家族割引を利用してお得にお出かけしてくださいね!
ハンガリーで学んでいる学生のみなさんは、学割料金でチケットの購入ができます。
チケット購入の流れの「10」のところで、Discountsの中の50パーセントをクリックしてください。Student ID card (foreign)<ハンガリー以外の学生証を持っている場合>、Students’ ID card<ハンガリーの学校の学生証の場合。種類がいくつかあるので該当するものを選択>など自分の持っているタイプの学生証に該当するものを選択すればOKです。
車内検札時に学生証の提示が求められますので、チケットと一緒に必ず携帯していてください。
まとめ【ハンガリー国鉄】電車のチケット購入方法 & 事前に知っておきたい情報12選!
ハンガリー国内を鉄道でよく旅する私が、ハンガリー国鉄について知っておきたい情報12選と、チケットの購入方法をまとめてみました。
何度も利用している私ですら「こんな車両初めてみた!」「座席がシートプランから選べる!」「インターシティーと間違えて、普通車両に予約を入れてしまった!」「また誰かが私の予約した席に座ってる!」などの驚きや失敗、ハラハラの起こり得るハンガリー国鉄。
一方で「今回は珍しく冷房が効いてて快適だな〜」「定刻より2分早く(なぜか)到着した!」なんていう、嬉しいサプライズを体験することもあります。
みなさんも、ハンガリー国鉄で楽しい(!?)移動を体験してください。
外国の列車予約をするみなさんにとって、少しでも有益な情報をご提供できていたら嬉しいです。
ハンガリー国鉄は奥が深く、私が知らないこともまだまだあると思います。ご質問がありましたら、お問い合わせの項目からご連絡ください。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
ブダペスト東駅からお出かけの場合は、ラウンジを利用してみませんか!?
ブダペスト西駅からお出かけの場合は、「世界一美しい?マクドナルド」を覗いてみませんか?