海のない内陸国ハンガリーでは、「夏といえばバラトン湖」と言っても過言ではないほど、多くのハンガリー人がバラトン湖に遊びに出かけます。
「来週はずっとBalci(バルチ=バラトン湖の愛称)にいるから〜」なんて会話が、当たり前のように聞こえてきたら、ハンガリーの夏の始まりです。
多くのハンガリー人にとって、バラトン湖は「子供時代に夏休みを過ごした場所」「若い頃のどんちゃん騒ぎの舞台」など、人生の思い出が詰まった特別な場所なんだそう。
私自身はバラトン湖にほぼ縁がなかったものの、子供が生まれて以来、のんびりするために毎年訪れるように。
これまではウェルネスホテルを拠点に、短めの滞在を楽しんでいました。
そして今年の夏は、バラトン湖の長期滞在に挑戦!
南岸にあるBalatonlelle(バラトンレッレ)という小さな町で、アパートを10日間借りてみました。
「退屈するかも?」という不安もありましたが、子どもたちは湖や公園、開放的な雰囲気と毎日のジェラートに大喜び。
夫は平日はリモートワークだったので、観光というよりは“のんびり暮らすような滞在”でしたが、家族全員にとってよい気分転換になりました。
ハンガリーでは珍しい「夏の夜だけ営業する遊園地」にも行けたのも、貴重な体験です。
今回はそんな、バラトン湖での夏の長期滞在の様子を、家族目線でご紹介していきます。
「ハンガリー人が好きなバラトン湖ってどんな場所?」と気になっている方に、家族で過ごした“のんびり滞在”の様子をお届けできたら嬉しいです🎉
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本宮愛栞(もとみや あいか)
旧名「りり」でブログを書いてきました。
🌏 ブダペスト在住20年。世界50カ国以上を旅した1人旅好き。
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バラトン湖ってどんな場所?
バラトン湖は「ハンガリーの海」とも呼ばれる、中央ヨーロッパ最大の淡水湖。
夏になると、ハンガリー国内からはもちろん、ドイツやオーストリアなど近隣諸国からも多くの観光客が訪れる、人気の定番スポットです。
バラトン湖の面積は594k㎡で、日本最大の湖の琵琶湖(約670km²)や東京23区(約627km²)よりもやや小ぶりなサイズ感。
形は細長くて、ぐるっと周ると車で3〜4時間はかかります。
画像引用元 / Balatonszallas.hu
バラトン湖は訪れるエリアによって表情も様々。
一般的には以下のように知られています。
・北岸:静かで大人の雰囲気がただようリゾートエリア。ワインの産地としても有名
・南岸:家族や友達と水遊びやパーティーを楽しめる、にぎやかなエリア
夏は水遊びはもちろん、遊覧船やヨット体験、サイクリングやハイキングも人気。
年間を通して湖畔の町の散策や、ワイナリー巡りなどの楽しみ方もあります。
1〜2週間の休暇をバラトン湖で過ごす人もいれば、毎週金曜日の午後になる度に、バラトン湖へそそくさと出かけて週末を楽しむ人など様々。
そんなバラトン湖で、今年の夏は“わが家らしい過ごし方”を楽しんできました。
滞在したのは、南岸の町「Balatonlelle(バラトンレッレ)」
私たちが滞在したBalatonlelleは、バラトン湖南岸の“真ん中あたり”にある中規模の町で、にぎやかな観光地Siófok(シオーフォク)から西へ約30kmほどの場所にあります。
「家族で気軽に過ごせる夏の町」として親しまれていて、素朴でどこか懐かしい、庶民的なエリアです。
私たちは電車で移動したのですが、ブダペストからは約2時間でアクセスもよく、鉄道駅を出るとすぐにレストランやカフェ、お土産屋さんなどもあって明るい雰囲気。
鉄道駅から湖畔のにぎやかなエリアまで、歩いて5分程度なのも魅力的でした。
私自身、部屋や湖畔でずっとのんびりするよりは、ちょくちょく出かけるのが好きなので、レストランやカフェのたくさんあるBalatonlelleはとてもいいチョイスでした!
長期滞在用にアパートを借りてみた
今回選んだのは、バラトン湖の無料ビーチまで、歩いて2〜3分で行ける小さなアパート。
町の中心のレストランやカフェエリアにも徒歩5分以内で、駅からも10分以内の好立地でした。
夏は「最低宿泊日数が7日以上」など、長期滞在が前提の宿泊施設も多いです。
リビング兼キッチンに、寝室、バスルーム、トイレで40㎡と、やや小さめのお部屋でしたが、静かな広いテラスがついていて、のんびり過ごせそうなのも予約の決め手になりました。
長期滞在者向けのアパートは初めての滞在で、「タオルはご持参ください」との案内にはちょっとびっくり。
あとは、洗濯洗剤などもブダペストから持参しています。
長期滞在の場合は、アパートに何が備えつけられているか、出発前に必ず確認しましょう!
テラスでコーヒーを飲んだり、キッチンで簡単な食事を作ったり、子供たちはリビングの大きなテレビでYouTubeを見たり、それぞれのスタイルで滞在を楽しめました。
私はハンガリーのホテル・アパート情報サイトのSzallas.huで部屋を探しましたが、同じお部屋がBooking.comでも掲載されていました。
アパートを探す時、私はよくBooking.comを利用しています!
世界最大級のホテル予約サイトなので、泊まりたい場所がきっと見つかります。
ホテルだけでなく、アパートも充実しているので、暮らすように旅したい派にもおすすめ!
一度到達した会員グレードが下がらないのも嬉しいです。
夏ならやっぱりバラトン湖で遊ぼう!
天気の良い日が続いたBalatonlelleの滞在。週末や夫の仕事が終わった後に、何度か水着に着替えて遊びに出かけました。
バラトン湖には「整備された有料のビーチ(strandfürdő)」が増えていますが、Balatonlelleの西側には、無料で利用できるビーチが残っています。
バラトン湖の南岸は遠浅の地形で、子どもでも足がつくエリアがたっぷりです。水位が徐々にしか深くならないため、小さな子どもでも安心して水遊びを楽しめます。
湖畔にゴツゴツした岩が並んでいますが、実は水の中はサラサラの砂地。マリンシューズがなくても裸足で気持ちよく遊べます。
家族連れ、友達同士、カップル、さらには1人でのんびりとくつろいでいる人など、湖畔には思い思いに夏を満喫している人でいっぱいです。
ちなみに私は水遊びも日焼けもあまり得意ではないので、少しバラトン湖の中で遊んだら、あとは荷物番と称してもっぱら木陰でのんびりしてました。
かさばらない数百グラムの軽いレジャーシートは、我が家のお出かけの定番!ピクニックでも大活躍です。
Balatonlelleの無料ビーチエリアには、ハンガリーの揚げパン“ラーンゴシュ”やハンバーガー、日本のかき氷のようなフローズンドリンク(jégkása)などが買える屋台やレストランもあるのでとても便利。
水遊びの最中も、お散歩の時にも利用しました。
町の東側には有料ビーチ「Napfény Strandfürdő(ナプフェーニュ・シュトランドフルドゥー)」があります。
無料ビーチと大きく違うのは、人口の砂のビーチがある点で、砂遊びが好きな子が一緒ならきっと喜ぶと思います。
2025年6月現在、有料ビーチの入場料は大人が1,700フォリント、子供が900フォリントですが、お得な家族割引もあります。
パラソルとビーチチェア2台の貸し出しは、2025年6月現在5,000フォリント
真水のプールなどの設備のあるウォーターパークは、さらに追加で大人1,600フォリント、子供900フォリント(いずれも2時間料金)が必要です
バラトン湖の主要な町では、夏の期間だけ遊覧船も運行しています。
春〜秋の間は町と町をつなぐ定期船もあるので、違う町へ船で往復したり、帰りは電車利用で戻ってくるのもおもしろいかもしれません。
船内でドリンクのオーダーもできます
散歩&公園めぐりでのんびり時間
明るい雰囲気の夏のバラトン湖は、湖沿いや町をのんびりと散歩をするだけでも、思い出の1ページになります。
小さな波の音や、湖を泳ぐ白鳥やカモの家族に癒されながら歩いていると、首都ブダペストとは全く異なる、穏やかな時間が流れていきます。
町の中心には観覧車。
結局乗らなかったのですが、観覧車があるだけで町の雰囲気が盛り上がるのは、気のせいではないはず!
夏のシーズンには、ビーチグッズを扱うお店も通りにずらりと並びます。
私たちも散策の合間に何度か立ち寄っては、ビーチボール・ビーチサンダル・子供用のサングラスなどを購入しました。
ハンガリーには整備された心地よい公園が多いのですが、Balatonlelleも例外ではありません。
滞在していたアパートの周辺には、徒歩圏内に3ヶ所も公園があり、毎日ローテーションで遊べるのは本当にありがたい環境でした。
バラトン湖の“食事情”:外食・買い物・持ち込みごはん
Balatonlelleは、カフェやレストランの選択肢が豊富なのも魅力。
湖畔沿いや中心部には、ハンガリー料理を楽しめるレストラン、おしゃれなカフェ、アイスクリームスタンドまで揃っています。
子連れでも入りやすいカジュアルなお店が多く、ちょっとした休憩やランチにも困りません。
湖畔にあるケーキ屋さん「Szalay Cukrászda(サライ・ツクラースダ)」は、立地も雰囲気も抜群。
滞在中はほぼ毎日通って、アイスクリームやケーキをいただきました。
駅前の「Zsúr Café(ジュール・カフェ)」も、センスのいい内装とスイーツが人気のカフェです。
平日は「スープ+メイン料理」のランチメニュー(=日替わり定食)を提供しているレストランが多く、お値段も2,500フォリント程度(約1,000円)でコスパも◎。
平日は夫がリモートワーク中だったので、私は子供と一緒に“ランチタイムのレストラン巡り”をしようと計画していたのですが…。
落ち着きのない3歳と5歳を連れての外食は、1人ではなかなかハードルが高くて、1日目であっさり断念💦
Google Mapsの評価の高いレストラン「Kedvesem Bisztró」は、キッズスペースもあって理想的かと思いきや、子供たちが小競り合いをしたり、遊びに飽きて「帰りたい」と言い出したり、ゆっくり食事ができませんでした。
それ以降、自炊をしない時は、レストランのランチメニューをテイクアウトして、アパートでゆっくりいただくスタイルに落ち着きました。
ちなみに、Balatonlelleにあるレストランは、ほとんどがハンガリー料理や西洋料理を提供するお店です。
長期休暇中はどうしても栄養が偏りがちなので、その点は今後の課題になりそうです。
サワーチェリースープとキノコクリームスープ
多くのハンガリー人は、国内での長期休暇の際、自宅で作った料理を大量に冷凍し、滞在先に持参します。
昔は「せっかくの休暇なのに、旅先でいつもと同じものを食べるの?」と不思議に思っていましたが、今回自分たちも長期で滞在してみて、その理由に納得がいきました。
日本のように食のバリエーションが豊富なわけではなく、バラトン湖周辺も場所によってはレストランがほとんどないことも。
そんな環境では、自分たちの味を持っていくという選択は、とても理にかなっていると感じました。
Balatonlelleの鉄道駅近くにあるスーパー「SPAR」の店内
私たちも途中からは、スーパーで買ったお米を鍋で炊いて、ブダペストから持参した海苔やしらす干しなどで、簡単な和食を楽しみました。
やはり長期滞在では、こうした“いつもの味”があると気持ちも楽になりますね。
ハンガリーでは珍しい「夏限定の遊園地」に2回訪問!
Balatonlelleの滞在のハイライトの1つが、ハンガリーでは数少ない「遊園地」の体験です。
首都ブダペストにあった100年以上の歴史を持つ遊園地は、残念ながら2013年に閉園。
それ以降、ハンガリーには現在も常設の遊園地は存在していません。
ですが、Balatonlelleには、夏の夜限定で営業する遊園地があるんです!
東京の花やしきよりちょっと大きい程度でこじんまりとしていますが、子供向けの乗り物から絶叫マシーンまで、一通り揃っています。
比較的空いていて、ほとんど並ばずに順番がくる上に、アトラクションの運行時間は日本の遊園地よりも確実に長めです。
例えば、子供も乗れるジェットコースターは、少なくとも2周、大体3周します。その時の混み具合で?何周回るか決めている感じ。
観覧車も一気に3周するのがハンガリー流ですが、夫と娘が乗った時は空いていたためか、5周していました(笑)。
メリーゴーランドや回転ブランコも、けっこうな時間をぐるぐる回ってくれます。
空いている時は、利用者が少なくてもアトラクションがスタートするのが嬉しいです
ミニカーをぶつけ合って遊ぶアトラクション「バンパーカー」は、なぜか狭い園内に4か所もあって不思議。
私は絶叫マシンも好きなので、夫に子どもたちを任せて、ひとりで全てのアトラクションを制覇!
子どもたちもとても楽しんだようで、「どうしてももう一度行きたい!」との強いリクエストがあり、予定外でしたが滞在中に2回訪れることになりました。
日本ではごく普通の遊園地かもしれませんが、ハンガリーではこうした施設はとても貴重な存在です。
4人分のファミリーチケット(4時間)が26,300フォリント(約11,000円)と、ハンガリーにしてはやや高めの価格ですが、家族みんなで満喫しました。
園内では、少し高額ですが軽食やドリンクも販売されているので、休憩しながら楽しめますよ!
遊園地(Balatonlellei Vidámpark)の情報
住所 | Balatonlelle, Rákóczi út 350, 8638 |
アクセス | Balatonlelle駅から車で2分、徒歩で20分 |
営業期間 | 毎年6月中旬から夏の終わりまで(詳細日程は公式ウェブサイトを確認) |
営業時間 | 18:00〜22:00 |
定休日 | なし |
チケット代 | 大人 7,500フォリント 子供 7,200フォリント(2〜12歳) 家族4人チケット 26,300フォリント ※2025年現在、入園料は現金のみで支払い可能 ※園内の飲食店ではカード払い可能 |
公式ウェブサイト | https://balatonlelleividampark.hu/ |
Balatonlelleへの行き方
ブダペストからBalatonlelleへは、特急電車や快速電車でおよそ2時間程度。
夏のシーズン中は1時間に1本くらいの頻度で電車があり、乗り換えなしで行けます。
夏の観光シーズンは、普通列車以外は全て座席指定になります。
直前だと満席だったり、希望の席が取れなかったりするので、少し早めに手配をするのがおすすめです。
ハンガリー国鉄の予約方法などの情報は、こちらの記事からどうぞ。
【まとめ】バラトン湖で“暮らすように過ごす”夏休み
海のないハンガリーにとって、バラトン湖は“夏を感じる場所”として特別な存在。
そんなバラトン湖で、わが家も今回は10日間のんびりと暮らすように滞在してみました。
派手な観光ではなくても、湖畔で水遊びをしたり、現地のカフェやレストランを巡ったり、夜の遊園地にわくわくしたり…。
どこか素朴で、でも心に残る時間がたくさんありました。
私はまだバラトン湖の初心者なので、他の町にも長期滞在して、各地の様子をもっと知りたいです。
ハンガリー流の夏をほんの少し体験してみたい方や、海外で“暮らすように旅する”ことに興味がある方に、バラトン湖はきっとヒントになるはず。
私たちの体験が、誰かの旅や暮らしの選択肢を広げるきっかけになれば嬉しいです。
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