【ブダペスト観光】社会主義時代の彫像を集めたマニアックな公園

ブダペストのメメントパークの銅像と夫・息子

ブダペストにちょっと変わった観光地があります。その名はメメントパーク(Memento Park)。

1989年にハンガリーの社会主義が崩壊したあと、その象徴であった彫像や記念碑の一部を集め、展示している公園です。

この公園の存在意義は、社会主義時代を懐かしむことではありません。

権力の象徴として彫刻を利用した共産主義のイデオロギーへの批判を込め、独裁政権とその崩壊を人々に知らしめるために造られました。

ただし、メメントパークは真面目な社会科見学のためだけの屋外博物館という位置付けではありません。

社会主義時代を揶揄して作られたグッズや、秘密警察が実際に使っていた研修動画がDVDにして販売されていたり、旧東ドイツ産のトラバント車で記念撮影ができたり、思わずクスッと笑ってしまうような一面もあります。

観光客として興味本位で訪れても、巨大で無骨な彫像に囲まれ、なんだか不思議な気分を味わえることは間違いないです。

こんな人はメメントパークを楽しめるかもしれません!!

  • 歴史や社会主義に興味がある
  • ちょっとマニアックな観光地に足を踏み入れてみたい
  • キラキラしているだけじゃない、一味違ったヨーロッパを体験したい

メメントパークはブダペストの端のほうにあるので、中心地から地下鉄とバスで45分くらいかかります。

それでもメメントパークに行ってみたい!どんな公園なのか気になる!という人は、ぜひこちらの記事を最後まで読んでみてください。

目次
スポンサーリンク

メメントパーク(Memento Park)とは

メメントパークを上空から撮影/ 画像引用元:Memento Park

1993年にオープンしたメメントパークは、2023年で30周年を迎えました。

メメントパークではハンガリー社会主義時代の41の彫像や記念碑を見学できます。

全て実際にブダペストにあったもので、当時どの地区のどの通りに建っていたのか説明書きがあります。

メメントパークの目的は、彫刻の人物が誰であるかということではなく、抑圧的な政治体制とそのために利用されたプロパガンダを暴露するためにある、という力強いメッセージをホームページで目にしました。

メメントパークのコンセプトを考えた建築家のエレウード・アーコシュ(Eleőd Ákos)は次のように述べています。

「この公園は独裁政治に関するものだが、そう発言でき、書き留められ、建設されている時点でこの公園は民主主義のものだ。民主主義だけが、独裁政治や民主主義、その他あらゆるものについて自由に考える機会を与えてくれる」

建築家やメメントパーク関係者の強いメッセージを受け取りつつ、はるばる見学にきた私たちは民主主義の現代に生きていることに感謝をし、この独特で不思議な公園の訪問を楽しみましょう!

メメントパークの内部の様子
遠くからもよく見える巨大な彫像の数々

彫像や記念碑には、名前と過去に設置されていた場所の説明書きがありますが、それ以上詳しいことは書かれていません。

もっと細かく情報を得たい場合は、事前に有料の英語ガイド(12,000フォリント)の申し込みもできます。(問い合わせは「メメントパークの詳細」を参照)

メメントパークでは彫像や記念碑の見学だけでなく、秘密警察が実際に研修で使っていた映像の視聴をしたり、社会主義時代のバッジやポスターなどのお土産を購入したりもできます。

メメントパークの楽しみ方8選

メメントパーク内部の写真
メメントパークの内部から入り口の門を見た様子

緑の多いブダペストのはずれでバスを降り、ほんの数分歩くとメメントパークの入り口に到着です。

突如大きな門が現れます。

メメントパークの入り口で記念撮影

メメントパークの入り口
メメントパークの大きな入り口の門。レーニン(1965年作)、マルクスとエンゲルス(1971年作)

これがメメントパークの入り口です。

大きな門の脇に飾られているレーニン像も、世界で唯一キュビズム様式のマルクスとエンゲルス像も、ブダペスト市内に建っていたものです。

到着早々、なんだかただならぬ雰囲気を感じとることができるでしょう!

正門の反対側にあるスターリンの長靴(レプリカ)を無料で見学

スターリン像の長物と台座
現物大で造られたスターリン像の長靴

1956年10月23日にハンガリー革命(ハンガリー動乱)が勃発します。この日、現在の市民公演の前にあるスターリン像が破壊され、長靴の部分だけが残り、人々は「長靴広場」と落書きをして揶揄しました。

この時のスターリン像の長靴と台座のレプリカがメメントパークの正門の反対側にあり、無料で見学したり台座に登ったりできます。

スターリン像
破壊される前のスターリン像 / 画像引用元:Wikipedia
破壊されたスターリン像
長靴の部分が残った台座。”長靴広場”と靴に書かれています / 画像引用元:Wikipedia

革命の起きた10月23日はハンガリーの祝日となりました。ハンガリーの祝日についてはこちらの記事にまとめてあります。

あわせて読みたい
【ハンガリーの祝日13選】祝日に無料で入場できる博物館や、祝日の注意点を案内! ハンガリーではどんな祝日があるかご存知ですか? キリスト教関連の聞いたことのある祝日から、ハンガリーの歴史に関わる祝日など、様々な祝日をハンガリーでは祝います...

公園内の巨大な彫像や記念碑の数々を見て歩く

さて、メメントパークの入場料の支払いをして、煉瓦造りの門を進んでいきます。

メメントパークの内部
メメントパークを入ったところ

メメントパーク内部はとても広いです。大きな入り口の門を過ぎると日陰がないので、日差しの強い日は暑さ対策を必ずしてくださいね。

広い敷地にぽつりぽつりと巨大な彫像や記念碑が置かれています。無骨で巨大なのがいかにも旧社会主義国の雰囲気です。

物々しい雰囲気の記念碑
クン•ベーラの記念碑(1986年作)

彫像になっている人々は、社会主義時代の英雄たちです。

ハンガリーで著名な人々の名前は、町の通り名になったりしているので大体聞いたことがあるのですが、この公園で目にする人物の名前は(スターリンやレーニンを除いて)全く知りませんでした。

公園の一番奥で旗を振り上げる2体の彫像は非常に目立ちます。

公園の一番奥にたつ目立つ銅像2体
オスタペンコ兵士(1951年作)、シュテインメッツ大尉(1958年作)

ソ連のオスタペンコ兵士像はかつて高速道路M7号線上に立ち、バラトン湖に向かう人々に手を振っていたことで知られています。

ソ連兵の銅像が高速道路脇に建っていた時の様子
1951年に建てられたソ連兵の記念碑 / 画像引用元:PestBuda

メメントパークで個人的に一番記憶に残っているのは、この迫力満点の評議会共和国記念碑です。

迫力満点の評議会共和国記念碑
評議会共和国記念碑(1969年作)

評議会共和国とはなんぞやとググりましたが、1919年に数ヶ月だけ存在した「ハンガリー社会主義連邦ソビエト共和国」のことなんだそうです。

こういう大きな壁全体が彫刻されているものは、旧社会主義国を旅した時に見たことがあります。

ソ連時代の壁画

遠目の写真だと分かりにくいかもしれませんが、彫像の横に人が立つと、とにかく像の大きさに驚かされます。

このソビエト兵は高さが6メートルもあります。もともとゲッレールトの丘の上に建っていました。

ハンガリー人を解放するソビエト兵
ソビエト兵(1947年作)

ふと思いましたが、イタリアのフィレンツェにあるミケランジェロのダビデ像も高さが5メートルくらいありますよね…!ダビデ像の高さを超えてくるソビエト兵です。

ハンガリーとソ連の友好記念碑
ハンガリーとソ連の友好記念碑(1956年作)

公園の敷地の展示物は、テンポよく歩けば30〜40分ほどで見て回れます。

メメントパークにいた白い猫
彫刻が目に入らないと、のどかな雰囲気です

ミニシアターで秘密警察の舞台裏を覗き、写真展を見学する

メメントパークのミニシアター
ミニシアターで映画をみる人々 / 画像引用元:Memento Park

1958年から1988年にかけて、国家秩序を守るため、ハンガリーの秘密警察向けに教育映画が作られていました。それらをまとめて編集したものが、メメントパーク内のミニシアターで上映されています。

映画は1時間弱で4つのパートに分かれており、英語字幕付き、ショップでDVDとしても販売されています。

秘密警察の映画
映画(DVD)の内容 / 画像引用元:Memento Park

映像以外にも、メメントパークのコンセプトや1956年の革命、社会主義崩壊時に関する写真展もあり、これらはスターリンの長靴のレプリカの隣の建物内で、無料で見学できます。

ショップでレトロな社会主義時代のお土産を購入

メメントパークのチケット売り場兼お土産物屋
チケット売り場でお土産も買えます

チケット売り場は「赤い星ショップ(Red Star Shop)」も兼ねています。

社会主義時代に実際に販売されていた、レーニンやスターリンが描かれたバッジや勲章、共産主義のシンボルだった赤い星をモチーフにしたマグネット、政治プロパガンダポスターのコピー、偽物のソ連のパスポート、皮肉たっぷりのブリキのコップなどが販売されています。

お土産のリストに加えたら、意外と面白いかもしれませんね!?

社会主義時代を彷彿とさせるモチーフのブリキのコップ
Red Star Shopで販売されているブリキのコップ / 画像引用元:Memento Park

社会主義時代のバッジなどの小物は、蚤の市などでも購入できます。ブダペストで有名なエチェリ蚤の市(Ecseri Piac)は、土曜日に行くとほとんどのお店が営業していて賑わっています。(平日も営業していますが、最近は多くの店が閉まっていると口コミで読みました。)

トラバント車で記念撮影

水色のトラバント車
メメントパークの入り口に展示されているトラバント

東ドイツで生産されていたトラバント。「半分ダンボール(紙)でできている車だよ」と、ハンガリー人に聞くと教えてくれます(実際は違うようです)。

運転の操作が単純で、トラバントには免許はいらないなんてジョークも聞いたことがあります。

10年ちょっと前までは、時々トラバント車を見かけることもありましたが、最近はめっきり減っている印象です。

ここメメントパークで展示されていて、誰でも自由に座ることができます。

1件55,000フォリントで、トラバント車でブダペスト市内からメメントパークまで往復送迎してくれるサービスがあります。料金にはメメントパークの入場料とドリンク1杯の値段込みです。

ユニークな旅の思い出としていかがですか??(問い合わせ先は「メメントパークの詳細」を参照)

コーヒーやジュースで一服する

メメントパークの休憩所
メメントパークの入り口でコーヒーなどを飲んで休憩もできます

メメントパークの入り口部分でコーヒーなどをいただけます。夏は木々が作りだす木陰のテーブル席がいい雰囲気です。                              

時間に余裕があれば、周辺の森をハイキングするのもよし

Kamaraerdőの様子
割と傾斜はあるので、雨の翌日などは気をつけてください

メメントパークの周辺は緑で溢れていて、いくつかハイキングルートがあります。

おすすめは、Kamaraerdőという森を縦断するルート。メメントパークがちょうど森の一番高いところにあるので、山登りをせずに山下りだけで森を楽しめます(笑)。歩く時間は30分程度です。

Kamaraerdőの様子

Kamaraerdei Ifjúsági Parkに路面電車駅とバス停の両方があり、どちらを利用しても1回の乗り継ぎで町の中心へ戻ることができます。

徒歩のルートはこちらです。

メメントパークの詳細

住所Budapest, Balatoni út – Szabadkai utca sarok, 1222
アクセス地下鉄4号線Kálvin térから終点のKelenföld vasútállomásまで6駅(9分)
101系のバスに乗り換えて2駅もしくは3駅(10分) Memento Park停留所で下車、徒歩3分
営業時間5月〜10月 – 10:00〜18:00
11月〜4月 – 10:00〜16:00
定休日なし
料金大人 3,000フォリント
学生 1,400フォリント
6〜14歳 1,200フォリント
ホームページhttps://www.mementopark.hu/
問い合わせ先info@mementopark.hu(トラバント送迎サービスや英語ガイドの申し込みなど)

ブダペストのマニアックな観光地 メメントパークのまとめ

ブダペストにあるメメントパークでは、社会主義時代に町の中に建っていた政治イデオロギー色の強い彫像や記念碑を見学できます。

それらは、社会主義とは一体何であったのかを教えてくれる教材になっています。その時代を生きたハンガリー人の強い怒りや反発心からこの公園が生まれました。

観光で訪れる私たちは、公園でその時代の雰囲気を体感することができます。

ただただ真面目に社会科見学をするだけではなく、社会主義を揶揄して作られたグッズを買ったり、トラバントで記念撮影をしたり、ついでに近所の森をハイキングしたりして楽しむのはどうでしょうか。

ちょっとマニアックな観光地ですが、歴史や社会主義に興味のある人や、ブダペストの滞在が長い人は、ぜひ時間をとって足を運んでみてください。面白い経験ができるかもしれません。

参考になる情報があれば幸いです。

スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次