ハンガリー観光で欠かせないユニークな体験といえば「温泉」。
首都ブダペストには100を超える温泉源泉が湧き出しており、これほど多くの温泉が一都市に集中している国は、世界でもほとんどありません。
ハンガリーの温泉施設は、14歳未満は入場できない場所が多い中、子ども用プールもある「パラティヌス温泉プール(Palatinus fürdő)」なら家族みんなで楽しめます。
実は、ブダペストで初めて「屋外での入浴」を実現した、100年以上の歴史もある場所なんです。
パラティヌス温泉プールは、「夏のシーズン」と「秋〜春のシーズン」で雰囲気ががらりと変わります。
旅行者も訪れますが、利用者の多くは地元の人たちで、市民に愛されるスパという印象です。
我が家でもよく出かけるのですが、実際に利用して感じている「魅力的な点」と「ちょっと惜しい点」をまとめてみました。
- 「子どもはプール」「大人には温泉もあり」でそれぞれ楽しめる
- セーチェーニ温泉やルダシュ温泉に比べ入場料がお手頃(半額以下)
- 夏の屋外プールの開放的な雰囲気が最高!プールの数も多い
- 冬は人が少なく、のんびりできる
- セーチェーニやルダシュのような異国情緒は少なめ
- 夏の好天時は大混雑、貴重品管理に要注意
- 冬は小さな屋内施設と、屋外の2か所のプールのみ利用可能
- 冬は閉館が16時とかなり早い(ただし入場料は夏より安い)
この記事では、「夏ににぎわう屋外エリア」と「1年中利用できる屋内エリア」の、それぞれの特徴や注意点を、写真とともにご紹介します。
「家族で夏休みを楽しみたい」「ハンガリーの温泉に行ってみたいけど、できるだけ予算は抑えたい」、そんな方にぴったりの場所です。ぜひ最後までご覧ください🎉
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ハンガリーでHolaflyを使って感じたデメリットやメリット、使い方などはこの記事からどうぞ!

本宮愛栞(もとみや あいか)
旧名「りり」でブログを書いてきました。
🌏 ブダペスト在住20年。世界50カ国以上を旅した1人旅好き。
🏝️ インド・暖かい国・マイナーな国や地域に惹かれがちです。
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「これ、誰かの役に立つかも」と思ったことや、「旅人の視点で見るハンガリーの情報」をブログで発信しています。
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パラティヌス温泉プールの歴史と魅力
施設の正式名称は「パラティヌス治療温泉・屋外プール・波のプール浴場(Palatinus Gyógy-, Strand- és Hullámfürdő)」。
少し長いので、この記事では「パラティヌス温泉プール」と呼ぶことにします。
マルギット島にあるパラティヌス温泉プールは、1919年にオープンしたブダペスト初の屋外プール施設です。
1921年には当時ヨーロッパ最大級の大プールが整備されました。
1930年代後半に大規模拡張が行われ、更衣室棟や波のプールも建設。
この時代に現在のパラティヌスの原型が完成し、ブダペストを代表する屋外浴場へと成長しました。
奥に見えるのは温泉水のプール
戦後には芝生広場やレストラン、ウォータースライダーなどが整備され、市民の夏のレジャースポットとして定着し、2002年の改修では流れるプールやジャグジーなどのアトラクションが追加されました。
2016〜17年には屋内温泉エリアも完成し、温泉プール、サウナなどが加わったことで、一年を通して利用できる治療温泉浴場(Gyógyfürdő)になっています。
屋外と屋内で楽しみ方が違う!パラティヌス温泉プールの魅力
パラティヌス温泉プールは「屋外エリアが開放される”明るい夏”」と「屋内エリアで静かに過ごす”秋〜春”」でまったく雰囲気が異なります。
夏は営業時間が長めですが、屋内エリアがメインの秋〜春は夕方には施設がクローズするのでご注意を!
公式ウェブサイトには、利用できるプールやサウナのリストが掲載されているので、気になる方はお出かけ前にチェックしてみてください。
例えば、夏に屋外エリアがオープンしていても、波のプールやウォータースライダーは利用開始が1か月ほど遅れることがあります。
さらに、不具合で使えないプールもしばしばあるので、すべての施設が必ず利用できるとは思わないのがちょうどいいです。
屋外エリア(5月中旬〜8月末がメイン!夏限定の大人気プール)
子どもプールの隣にあります
夏にパラティヌス温泉プールを訪れる場合、ほとんどの人が屋外のプールが目的でしょう。
5月中頃から屋外のプールが開放され、8月末まで賑わいます。
その後はいくつかのプールが閉鎖されますが、9月頃まで(その年の気候次第)は屋外での水遊びを楽しむことができます。
たくさんのプールがあるので、大人も子どもも気に入った場所が見つかるはず!
夏の間は、軽食やドリンク、プールグッズなども販売されていて気軽に利用できます。
タオルやレジャーシートを敷いて、芝生でのんびり寝転べるのが夏の醍醐味です。
ビーチチェアがエリア内に散らばっていますが、数は限られていて早いもの勝ち。
確保したい場合は、営業開始〜30分後くらいまでには入場するのがいいです。
屋外にもちょっと隠れて着替えるスペースはあるのですが、心もとない方は屋内の更衣室(後ほど紹介しています)の利用がおすすめです。
屋外には子ども用のプールが2か所にあって、そのうちの1つはシーソーやすべり台もついていて楽しい雰囲気。
もう一つは遊ぐ練習のための小さめのプールです。
奥に見えるのも浅い子どもプールで、泳ぎの練習ができます
子どもプールのすぐ横には「オープンエアーバスプール」という名称の浴槽があります。
ここは冬でも利用できるのですが、夏と冬では全く印象が異なります。
この隣のプールはレーンが区切られている遊泳用プールで、利用するにはスイミングキャップの着用が必要です。
遊泳用プールも1年を通して利用できます。
遊泳用プールの隣に続くのが2つの大きなプールで、それぞれ「レジャープール」「アドベンチャープール」と呼ばれています。
プールの奥へ進むにつれて水深が深くなります。
子どもと一緒に入る際は、必ず目を離さず注意してあげてください。
屋外エリアの一番奥(マップの右側、北方面)にあるのが、温泉水を利用したプールです。
治療温泉ではないため、14歳未満の子どもでも利用できます。
屋外マップの左側(南側)には波のプールやウォータースライダーがあり、屋外エリアのオープン後しばらくして稼働を開始します。
特に夏休みの時期には大勢の人でにぎわう人気スポットです。ただし、波のプールは動かないことも多いようなので、あまり期待しないでいるのがいいかもしれません。
ウォータースライダーは肩までの高さが120センチ以上あることが利用条件です
画像引用元:公式ウェブサイト
夏季の屋外エリアではスナックスタンドが充実しており、入口付近とプールの奥のエリアで営業しています。
冬季はすべてクローズするため、夏だけの限定サービスです。
色々なお店がありますが、2025年の夏の価格帯は以下の様な感じでした。
- ラーンゴシュ1,800フォリント〜(約720円〜)
- ホットドッグ2,000フォリント(800円)
- ピザ3,000フォリント〜(約1,200円〜)
- ギロピタ3,000フォリント(約1,200円)
- カクテル3,500フォリント〜(約1,400円〜)
飲食物の持ち込みはOKなので、節約したい場合は、お弁当やドリンクを持参するのもアリです!
プールグッズも販売されているので、忘れ物があった場合や、子どものおもちゃを買いたい時などに覗いてみてください。
屋内エリア(1年中楽しめるこぢんまりとした温泉&子ども用プール)
14歳未満の子どもが入ろうとすると、出るように注意を受けます
2017年から利用開始となった屋内のスパエリア。
古い時代の建物を改装して使っているためか、モダンな感じではなく、昔の市民プールのようなレトロな雰囲気が漂っています。
屋内でメインの浴槽は治療用の温泉。こちらは14歳未満は入浴不可になっています。
健康促進を目的とした、地元の年配の方も多く通っている印象です。
奥には子ども用のプールがあります。
そこまで広くはないのですが、秋〜春のシーズンは比較的空いているのが魅力です。
小さなサウナが3か所にあるので、大人はこちらの利用も可能。
その他、【屋外エリア】の項目でご紹介した「オープンエアーバスプール」と「遊泳用プール(スイムキャップ必須)」の2か所は、大人も子どもも使えます。
秋〜冬は利用できるプールが少ないですが、のんびり過ごしたい方にはちょうどいい感じです。
建物の最上階にロッカーと更衣室があります。
ハンガリーの多くの更衣室は男女共通で、着替える時は鍵のかかる個室を利用するのが一般的です。
入場時に受け取るリストバンドのチップをかすと、ロッカーの開閉ができます。
ロッカーは自分で好きなところを選んでください。
ドライヤーも設置されていて、自由に利用できます。
更衣室の下の階(プールエリアの上の階)にとても小さなスナックスタンドがあるのですが、お客さんが少ない時期は閉まっていることがほとんどです。
オフシーズンは、飲み物や軽食などを持参することをおすすめします。
パラティヌス温泉プールへの持ち物
マストアイテム
- 水着
- ビーチサンダル
- バスタオルやバスローブ
- クレジットカードか現金(管理に注意)
- スイムキャップ(遊泳レーンで泳ぎたい人)
- 日焼け止めや帽子、サングラス(夏は必須!)
あると便利
- スマホ防水ケース
- レジャーシート(屋外エリアが賑やかな夏シーズン)
- ビーチバッグのようなもの
- シャンプーやボディーソープ(必要な場合。備え付けはありません)
- 濡れた水着やタオルを入れるビニール袋など
ビーチサンダルは現地調達だと価格が高めなので、事前に日本で用意して持ってくるのがいいです。
6月上旬の曇りの日に屋外プールを利用したのですが、顔にしか日焼け止めを塗っていなくて、うっかりすごい日焼けをしてしまいました…。
屋外を利用する場合は、曇っている日でも全身に日焼け止めをお忘れ無く!
スマホ防水ケースがあれば、持ち運びにも安心で、プールでのんびりしながら利用もできます。
(スマホの管理には十分ご注意ください。)
かさばらなくて軽いレジャーシートは、旅行に持っていくのにもぴったりです。
パラティヌス温泉プールへの行き方・利用情報
その代わり、夜はイルミネーションパークとして入場できます
住所 | Budapest, Soó Rezső stny. 1, 1007 |
アクセス | 西駅から26番、226番バスで5駅(約9分)、Palatinus fürdő停留所を下車後すぐ |
公式ウェブサイト | https://en.palatinusstrand.hu/ |
営業時間 | https://en.palatinusstrand.hu/opening-hours 夏は9〜19時、冬は9〜16時なので、訪問するタイミングの営業時間をよくご確認ください |
定休日 | 基本的にはなし クリスマスや年末年始など例外はあるので、公式ウェブサイトを要確認 |
チケット料金 | https://en.palatinusstrand.hu/prices 夏とそれ以外のシーズンで料金が異なるので要確認 家族チケット割引などもあり(大人2名+子どもの場合) |
オンラインチケット予約 | https://tickets.palatinusstrand.hu/ 購入後の日付変更はできませんので、間違えないようご注意ください |
冬は空いていることが多いので、現地でチケットを購入するにもほとんど並びません。
逆に、夏の天気のいい週末などは大混雑で、オープン前から(ハンガリーでは珍しく)行列になっていることもしばしば。
チケット購入の列に並びたくない場合は、オンラインチケットもおすすめです。日付を間違えないようにしてください。
日本語のウェブサイトから予約をしたい場合は、GET YOUR GUIDEからもチケットが手配できます。
マルギット島のみどころはこちらの記事にまとめてあります。お出かけ前にぜひご覧ください!
パラティヌス温泉プールから徒歩5分ほどの場所に、中世の遺跡(ドミニコ会修道院跡)があるので、遺跡に興味のある方は足を伸ばしてみてはどうでしょう。
【まとめ】夏と冬で雰囲気が変わる、地元のお客さんが多いパラティヌス温泉プール
パラティヌス温泉プールは「夏は屋外のレジャー感」「秋〜春は屋内の温泉でのんびり」と、季節によって楽しみ方がはっきり変わる、庶民的な雰囲気のスパ施設です。
入場に年齢制限がないので、家族全員で楽しめるのが嬉しいポイント!
入場料も他の有名温泉に比べるとお得感があります。
夏とそれ以外では、営業時間やチケット価格も異なるので、公式サイトで最新状況を確認すると安心です。
利用できるプールやサウナの一覧も掲載されています。
パラティヌス温泉プールのあるマルギット島は、緑に囲まれたリラックスエリア。時間に余裕があれば、プールの後に散策して、ゆったりとした時間をお楽しみください。
この記事が、パラティヌス温泉プールへ行く計画づくりの参考になればうれしいです。