ブダペストの王宮の丘や英雄広場を観光して町の雑踏に疲れてしまったら、少し自然の中でリラックスしてみませんか?
マルギット島はドナウ川に浮かぶ島で、全長約2.5km、幅は広いところで500m、縦にまっすぐ歩いて約30~40分かかる大きさです。島全体が公園になっていて、島内はバスとタクシーしか通行できないこともあり、のびのびした雰囲気です。

子供が生まれてからこれまで何度も遊びに行きましたが、マルギット島の敷地は広くて、ところどころで観光もできます。遺跡、ミニ動物園、日本庭園、温泉などなど…。
これからマルギット島に遊びに行く予定のみなさん、どんな見どころがあるのかお伝えしますので、ぜひ最後まで記事に目を通していってくださいね。
マルギット島の様子

市民の憩いの場であるマルギット島には、ホテルやホステルはありますが住居はありません。島の周りのジョギングコースをランニングする人がいたり、家族連れやカップルがのんびりと散歩をしています。観光シーズンになるとさらに観光客でも賑わいます。
19世紀の終わりまで3つの島に分かれていましたが、工事が行われて現在の島の姿になりました。
マルギット島は26番バスが縦断しているので(※後述”マルギット島への行き方”)バスを利用して移動するもよし、有料の電気自動車や数人乗りができる屋根付きの自転車などで自由に行き来するのも楽しいです。もちろんずっと歩いて回ることもできます。

島には木がたくさん生えていますが、2か所芝生になって開けている部分があり、そこではピクニックシートを敷いて寝転んでいる人、フリスビーやバドミントン、サッカーボールなどを持ってきて遊んでいる人など様々です。
マルギット島の見どころ
これからご紹介する場所に番号を付けた地図を作成しました。子供が喜ぶ動物園から、大人がリラックスできるローズガーデンや遺跡など盛りだくさんです。気になるところをチェックしてください。
赤色:
①ブダペスト生誕100周年記念塔
②噴水
③屋台やレストラン
④小さな動物園
⑤ローズガーデン
⑥ドミニコ会修道院跡
⑦聖ミカエルチャペル
⑧マルギット島給水塔
⑨マルギット島劇場
⑩ダヌビウス ヘルス スパ ホテル
⑪ダヌビウス グランド ホテル
⑫日本庭園
⑬パラティヌス/プール・温泉施設
⑭⑮⑯公園
青色ピン:バス停(26番バス)
黄色ピン:トラム停留所(4番トラム・6番トラム)
島の入り口部分:ブダペスト生誕100周年記念塔(①)噴水(②)
マルギット島へ橋を渡って入っていくとロータリーがあり、そこに大きなモニュメントがあります。ブダペストの町の生誕100周年記念塔(ブダ+ペスト+オーブダ=ブダペスト)で1972年に建てられたものです。このロータリーでは電気自動車や数人乗りできる自転車などをレンタルすることができます。
ロータリーの先には噴水があり、観光シーズンには噴水と一緒に音楽や光のショーを楽しむこともできます。


屋台やレストラン③
マルギット島に入って比較的すぐの右側の部分に屋台やレストランが並んでいます。秋にはオクトーバーフェストも行われています。2022年はオクトーバーフェストの先着でビールジョッキとチロリアンハットがプレゼント(!)されました。(※写真は同フェスティバルが行われていたDeák Ferenc tér側で撮影しました)。ビール系のイベントが行われているのを見かけるので、季節ごとにチェックしてみてください。若い旅行者に人気のホステルもあるようです。



小さな動物園(入場無料)④
動物園と呼ぶには素朴で小さなところですが、いつも子供たちでいっぱいの人気ポイントです。水鳥、鶏、フクロウ、クジャク、コウノトリなどの様々な鳥類がいて、ほぼすべての鳥は怪我をしていたところ保護された保護鳥だそうです。




ポニーやシカ、ウサギなどもいます。



ローズガーデンとその周辺⑤
島のちょうど中央あたりがローズガーデン、その横は景色が開けている芝生の敷地で暖かい季節は様々な花が咲いています。


ドミニコ会修道院跡(聖マルギットの墓)(⑥)・聖ミカエルチャペル(⑦)
マルギット島はもともと修道院や教会の島でした。ドミニコ会修道院跡には、島の名前の由来にもなった聖マルギットのお墓もあります。ハンガリー国王ベーラ4世の娘であったマルギットは1242年生まれで、3歳の頃から島の修道院でつつましく暮らし27歳で天に召されました。それからだいぶ経った1943年に列聖されました。


おそらく桜の木だと思うのですが4月上旬に満開でした。修道院跡で見られます。

11世紀には建設されていた聖ミカエルチャペルはトルコの占領時代に破壊され、1932年に再建されました。素朴なチャペルです。


マルギット島給水塔(⑧)とマルギット島劇場(⑨)
マルギット島給水塔は見た目が美しく絵になります。給水塔の横には屋外劇場であるマルギット島劇場があり、夏にはコンサートや演劇などが催されます。



広い芝生と温泉のあるウェルネスホテル(ダヌビウス ヘルス スパ リゾート (⑩)/ ダヌビウス グランド ホテル(⑪))
島の北にも開けている芝生の部分があり、その先に見えるのは2つのウェルネスホテルです。2つのホテルは廊下でつながっていて、温泉付きのスパが楽しめます。
私の友人はブダペストに来るときはヘルス スパ リゾートに必ず宿泊して、スパを満喫しています。


ホテルのレストランでは日中食事や軽食もとれます。島の有料トイレはあまり評判がよくないので、ホテルでお茶をしてお手洗いを借りるのもいいと思います。
私たちは島の南側から散歩を楽しんだ後、ここでピクニックシートを敷いて休憩することが多いです。


日本庭園⑫
島の一番北側、ヘルススパホテルの隣に日本庭園があります。日本人の目から見ると、ん…?と思うところはありますが、日本の文化が愛され尊重されているのは嬉しい限りです。


4月上旬にはマグノリアの花が咲きかけていました。


日本庭園の先に小さな展望台があって、ドナウ川を眺めることができます。


Palatinus (パラティヌス)プール・温泉施設⑬
マルギット島の中央西側にある大きなプール・温泉施設がPalatinus(パラティヌス)です。ブダペストで有名なセーチェーニ温泉やゲッレールト温泉に比べると入場料が半額以下で(週末料金:大人3,400フォリント、3~14歳2,300フォリント)、特に夏季は地元ハンガリー人で大混雑しています。
子供用のプールもあります。


温泉もありますが、やはり14歳以下は利用禁止です。子供と一緒に入れないのはちょっと残念ですね。

夏季は屋外のプールが人気です。



公園(3か所)⑭⑮⑯
島の南の入口に近い場所に2か所、北側に1か所公園があります。実は何度もマルギット島には行っているのに、まだちゃんと公園を利用したことはありません。いつかチャンスがあったらレポートします。(マップで様子をうかがうと、どこも少し大きめの子供向けの公園のような感じに見えます。)
マルギット島への行き方
バスを利用
26番バスがマルギット島を横断しているので便利です。西駅(Nyugati pályaudvar)を出発してマルギット橋を通ってから島を縦断、その後アールパード橋を渡ってGöncz Árpád városközpontが終点です。
ちなみに、1928年までは馬が線路の上の車両を引く馬車鉄道が現在の26番バスのルート上で利用されていたそうです。

トラムを利用、もしくは徒歩
4番・6番トラムがマルギット橋の真ん中で停車(Margitsziget / Margit híd)します。島へとかかる橋を歩いて行きましょう。もしくは、マルギット橋のたもとから歩いても5分ほどです。橋から見る国会議事堂や王宮の景色も綺麗です。



マルギット島・まとめ
マルギット島は歩いて回ることもできるドナウ川に浮かぶ島で、市民の憩いの場です。住居はなく、車の通行も禁止されているため、緑にあふれてのびのびとした雰囲気です。ピクニックシートを敷いて寝そべっている人、小さな動物園で子供と動物を見ている人、日本庭園を歩いている人、楽しみ方がたくさんあります。
今回記事を書くにあたり、3か所の公園をはじめ、まだまだ足を踏み入れていない場所が結構あることに気が付きました。マルギット島、広くて奥深いです……。あと、木が生い茂っている美しいマルギット島の写真をほとんど持っていませんでした。
ですので、また新たに行くことがあれば情報をアップデートしていきたいと思います。みなさんの知っているマルギット島のおすすめ情報や、好きな場所などがあったらぜひ教えてくださいね!!

ちなみに、毎年夏に行われるヨーロッパ最大規模の音楽フェス”Sziget Fesztivál(シゲト・フェスティバール/)”が行われるのは、このマルギット島ではなく1つ北側にあるÓbudai-sziget(オーブダイ・シゲト/オーブダ島)です。フェスがない時は比較的静かな島で、島の公園にある大きなすべり台が子供に人気です。いつか機会があったらこの島についても書いてみたいと思います!
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