ブダペストの観光地の1つとして知られている「エチェリ市場」(Ecseri piac / Használtcikk piac)。
ブダペスト最大の蚤の市で、アンティーク家具、ヴィンテージ雑貨、社会主義時代の記念品、古い時計やオルゴールなど、さまざまな品物が並ぶマーケットとして知られています。
でも、エチェリ市場に“西ヨーロッパらしい伝統的な蚤の市”を期待するのは禁物!
ここはむしろ、東ヨーロッパらしい、ちょっとカオスで雑多な雰囲気の市場なんです。
“Használtcikk piac”という現地名は、直訳すると「中古品の市場」。
市場には、洗練されたアンティークが並ぶというより、“物置きの奥から引っ張り出してきました”感のあふれる品もいっぱいです。
「このお店の一角は、何かの倉庫!?」とびっくりするような空間も。
そんな意外性に出会えるのも、エチェリ市場ならではの面白さです。
昔、アンティーク好きの友人に連れられてよく通っていたのですが、今回あらためて平日に訪問。久しぶりのエチェリ市場でした。
エチェリ市場は土曜日が一番盛り上がる日!
それ以外の日は、開いているお店が非常に限られています。
「平日だし、何もネタがなかったらどうしよう…」と少し不安だったのですが、実際には優しいオーナーさんのいるお店や、個性が光る空間、ちょっとしたお土産候補になりそうな小物も見つけることができました。
空いていたからこそ、オーナーさんたちとゆっくりやりとりできた気がします。
エチェリ市場に行くか迷っている方には、参考になる情報がきっとあるので要チェック!
ブダペストらしい「カオスでディープな市場」に興味のある方も、ぜひ最後まで読んでみてくださいね🎉
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りり / 旅で感じたことを、誰かのヒントに。
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エチェリ市場とは?どんな人におすすめ?
エチェリ市場のルーツは、18世紀末のブダペスト8区にあった蚤の市。
その後、何度か移転を繰り返し、1964年から現在の場所に落ち着きました。
入場料は無料で、誰でも自由に出入りできます。
ブダペスト中心部から、公共交通機関で40分ほどかかります。
ヨーロッパの蚤の市というと「週末だけ」「月に1回だけ」などが多い中、エチェリ市場はほぼ毎日開いているのが、観光客には嬉しい点です。
ただし、一番にぎわうのは土曜日!
平日は開いているお店が少なく、来場者もまばらで、かなり静かです。
平日に行くと、商品は外から見えるものの、鍵がかかっていて開いていないお店も多いです
にぎやかな市場の雰囲気を味わいたいなら、土曜日の訪問が断然おすすめです。
エチェリ市場への行き方や、営業時間については、記事の後半で詳しく案内しています!
ちなみに、「祝日は完全にお休み」なので気をつけましょう!
平日でも開いているお店はあるので、今回の記事では、平日のリアルな様子をたっぷりレポートしていきます。
市場では、値札がついていない商品が多いので、気になったら値段を聞いて、チャンスがあれば値下げ交渉も可能です。
ほとんどのお店で現金しか使えないので、買い物したい人は、あらかじめお金をおろしてから行きましょう!
貴重な観光の時間を割いて出かけるエチェリ市場。
私が思う「おすすめできる人」「おすすめしにくい人」は以下の通りです。
- カオス&ディープな東欧の雰囲気を楽しみたい人
- アンティーク風のがらくた、東欧レトロな品を見て回りたい人
- 共産圏時代のピンバッジや雑貨をお土産にしたい人
- フランスやドイツのような、洗練された蚤の市を期待している人
- 美しくてお洒落な“映え写真”を撮りたい人
- 限られた時間の中で絶対にハズしたくない人(がっかりする可能性あり)
美しさや洗練さを求める場所ではないですが、「東欧らしさ」や「ちょっと雑多でリアルな空気感」を体験してみたい人には、きっと忘れられない訪問になると思います!
平日(火曜日)のエチェリ市場は、実際どんな雰囲気?
私がエチェリ市場を訪問したのは、5月のとある火曜日の9時15分頃。
「土曜日以外は、ほとんどお店が開いていない」とGoogle Mapsに口コミがある通り、かなりガランとしていました。
平日でもちらほらお店は開いているので、なんとなく雰囲気は楽しめます。
ただし、写真NGのお店や、ちょっとご機嫌ななめなオーナーさんのいるところもあるので、場の空気を見ながら歩くのがおすすめ。
一方で、いろいろ説明してくれたり、穏やかな雰囲気のオーナーさんもいたので、今回はそんな素敵なお店を中心にご紹介していきます!
エチェリ市場マップ
エチェリ市場のマップが公式ウェブサイトにあったので、日本語の説明書きを加えてみました。
Google Mapsを利用してエチェリ市場の面積を計算してみると、約1.1ヘクタール。
東京ドームの4分の1程度、もしくはサッカー場の1.5倍程度の広さです。
お店のある通りを何となく見て歩くのに、30〜40分くらいはかかります。
地図上の店舗や倉庫のある部分は、ほとんどに屋根がついていてアーケードになっています。
各店舗にアルファベットと数字の番号が振られています。
土曜日は屋根のないスペースにも店舗が並ぶので、普段よりもさらに賑やかです。
①G7とG11の店(オーナー夫妻のお気に入りが集まった、あたたかみある空間)
市場をぶらぶらと歩いていて「陳列がすごく素敵で、一番印象的」と思ったのがG7のお店。
カラフルなホーロー製品や、可愛らしいお皿、カップ&ソーサーなどが並んでいます。
オーナー夫妻はヤンチさん(Jancsi)とジュジさん(Zsuzsi)で、お2人はこの市場で知り合ったんだそうです。
ヤンチさんは25年、ジュジさんも15年前から一緒にお店に立つようになり「この仕事がとても気に入っているんです」とのこと。
ものに対する愛情をとても感じられるお店です。
日本からの買い付けの方も、定期的に訪れているそうです!
お店の内部には「たくさん収集しているので、収納しきれないほど」とおっしゃる通り、たくさんのガラス製品・マグカップ・小さな置物などがいっぱい。
小物系アイテムを探している方は、中もじっくり見せてもらうと、きっと素敵な出会いがあると思います。
G11もヤンチさんたちのお店で、店内にはG7と同様にガラス製品などの小物があり、外には椅子やスーツケースなど、もう少し大きめの品物も並んでいます。
ガラス製品や食器類、ホーロー雑貨を見てみたい方におすすめのお店!
平日にも営業しているので、ゆっくり店内を見せてもらってください。
②K5の店(混沌とノスタルジーが渦巻くディープゾーン)
こちらも平日に開いている店舗の1つ。
エチェリ市場のメインゲートの左斜め奥にあって、“GRAND BAZAR”という大きな看板が目印です。
外で様子を伺っていたら、オーナーさんに「入っておいで」と手招きされたので、店内を見せていただくことに。
中に足を踏み入れた瞬間から、なんとも言えない雑多でディープな世界が広がっていました。
社会主義時代の勲章やピンバッジは、東欧ならではの品。その他、栓抜きや腕時計などの小物たちが雑多に、でもいい感じに並んでます。
「奥の部屋もあるから、もっと見て、写真もどんどん撮りなさい」とのお言葉をいただき、先へ進みます、。
奥の部屋も、ますますカオス&ディープ!!
ブリキの救急箱はハンガリー製。1968年「プラハの春」の鎮圧に出動したワルシャワ条約機構軍で使われたものなのだとか。
中には医療用ガーゼなど、当時の製品がそのまま入っていて、時間が止まったような感覚になります。
こちらの棚は、社会主義時代のレトロ通信機コーナー。
電話交換機付きの業務用電話、旧東ドイツ製のタイプライターなどが並ぶ中、ファックスも紛れ込んでいてユーモアが溢れます。
ソ連〜東欧圏で大量生産されたインダストリアル照明は、今ではインテリアとしても人気ですよね。
耐久性とコスト効率がよかったため、大規模工場や公共施設などで使われていたそうです。
こちらは秤(はかり)のコーナー。今でも、時々ですが、市場で果物や野菜を天秤で測っている風景も見られます。
インテリアにちょこんと飾っても、結構可愛いかもしれません。
こんな感じで、まるでガレージのような店内は、カオスでノスタルジックな空間が広がっています。
手前の部屋には、19世紀末のドイツ製のディスク式高級オルゴールが数台置いてあって、オーナーさんがいくつか鳴らしてくださいました。
すごく美しい音色なので、訪問するみなさんにも、聞けるチャンスがあるといいです!
ドイツ・ライプツィヒのKalliope(カリオペ)は、当時の有名な三大オルゴールブランドの1つです。
Euphonium(ユーフォニオン)のオルゴールは、数が多くはなく、コレクターの間でもレアな部類なんだそう。
サイドからコイン(100フォリント)を入れて動かす仕様で、初めて見るタイプのオルゴールに感動しました。
エチェリ市場の「GRAND BAZAR」、雑多な空間を楽しみたい人にはおすすめ!!
共産圏グッズを探している人や、その他、思いがけない掘り出し物があるかもしれません。
写真撮影も快くOKしてもらえるので、あなただけの面白写真も撮ってみてください!
FacebookにGRAND BAZARのページがあります。(Ecseri Bazarという名前で登録されています。)
少し古い情報ですが、料金が掲載されている商品もあるので、気になる方はチェックしてみましょう!
③K75とK76の店舗(生活感と趣味が詰まったレトロ空間)
エチェリ市場を歩き始めて割とすぐに、「中を見ていったらどう」と声をかけてくれたのが、K75とK76のお店のオーナーさん。
K75の店内は、棚にびっしりと色んなジャンルの品々が置かれていて、「親戚のおじさんの部屋感」が満載です。
本やオーディオがちょっと乱雑に並ぶ様子には、不思議と生活感すら漂っています。
お隣のK76は「おじさんのコレクション部屋」の雰囲気。
棚にはアンティークカメラや映像機器が集められ、旧ソ連のZenitや、東ドイツのPENTACON Prakticaといったカメラも見かけました。
ハンガリーの社会主義時代に活躍したおもちゃメーカー、Lemezárugyár(レメズアールジャール)のブリキの車やゼンマイ仕掛けのおもちゃも並んでいます。
当時は東欧各国に輸出されていたそうで、今でもノスタルジックなデザインがコレクターの間で人気なんだとか。
ヴィンテージラジオも置いてありました。修理すれば今でも動くものが多いそうです。
インテリアとして飾るのもかわいいかも。
こちらのお店は、一部の商品に値札がついているのが嬉しいです。
私はあまり詳しくなくてそこまで刺さらなかったのですが、レトログッズが好きな方にとっては、たまらない空間かもしれません!
興味のある方はぜひ覗いてみてください。
軽食スタンド(平日はお休みかも)
エチェリ市場マップ内で、オレンジ色に塗られているところが、軽食スタンドです。
私が訪れた時(平日、午前中)は全て閉まっていました。
お昼に開くお店があるのか、平日はずっとクローズしているのか、誰もいなかったので確認できず…。
スタンドのメニューを見た限り、販売されているのは非常にシンプルな軽食。
ちょっとコーヒーを飲むにはいいと思いますが、“蚤の市グルメ”みたいなのは、全く期待しないでおくのが良さそうです。
お手洗い
場内に2箇所あるようなのですが、うっかり確認するのを忘れてしまいました!
入り口にいる守衛さんか、お店の人が親切そうだったら聞いてみてください。
お手洗いは有料のはずなので、現金を準備しましょう。(300〜400フォリント程度ではないかと予想します。)
賑わう「土曜日」のエチェリ市場(イメージ画像)
今回私が出かけたのは平日でしたが、一番盛り上がるのは土曜日です!
土曜日は多くのお店が営業していて、屋外のスペースにも店舗が並びます。
最近の土曜日のエチェリ市場には出かけていないのですが、Google Mapsのクチコミによると、土曜日の満足度は概して高めです。
今回の記事で紹介した「社会主義時代の記念品」「レトロな家電」「日用品や雑貨」に加え、「ハンガリーの刺繍アイテム」「衣類やアクセサリー」なども出品されています。
平日でも取り扱っているお店がいくつかあります
土曜日は朝5時から営業していますが、G7のお店のヤンチさんによると、5時だと早すぎるので7〜8時以降がおすすめとのこと。
素敵な商品はお昼までに売り切れることが多いそうです!
土曜日にお出かけになった方は、ぜひどんな様子だったかぜひ教えてください!!
エチェリ市場へのアクセス・営業時間
住所 | Budapest, Nagykőrösi út 156, 1194 |
アクセス | ①地下鉄3号線のHatár út駅から、84E, 89Eバスなどで約10分。 Naszód utca (Használtcikk piac)停留所か Hofherr Albert utca停留所で下車、その後徒歩5〜6分 ②もしくは、ペスト側ドナウ川沿いのBoráros tér停留所から、54, 55バスで約20分。Naszód utca (Használtcikk piac)停留所で下車、その後徒歩約5分 |
営業時間 ※公式ウェブサイトとGoogle Mapsで案内に相違あり (Googke Mapsでは短めの営業時間表示) | 月〜金 / 08:00〜16:00 土曜日 / 05:00〜15:00 日曜日 / 08:00〜13:00 |
定休日 | 祝日 |
公式ウェブサイト | https://piaconline.hu/nagykorosi-uti-hasznaltcikk-piac-ecseri-piac/ https://www.facebook.com/p/Ecseri-Bolhapiac-100057622083068/?locale=hu_HU |
Határ út駅からエチェリ市場への行き方(84E, 89E, 294Eバス利用時)
Határ út(ハタール・ウート)駅は、バス停が多くて迷いやすいので、画像を使って説明します!
地下鉄駅の出口をでたら、右側へ向かって、少し先にある階段を上ります。
階段を上ったら、84E, 89E, 294Eバスの利用時は、左斜め前方向へ進みましょう。
※194バスを利用する場合に限り、右斜め前の横断歩道を渡って、IBISホテルの前のバス停を利用します。
ここから出発するバスは、運転手さんにチケットを見せるスタイルなので、前の扉から乗車してください。
4つめの停留所Naszód utca (Használtcikk piac)で下車したら、少し戻って道路を渡り、歩道橋の方向へ向かいます。
歩道橋を降りた先に、エチェリ市場があります!
「帰りのバス停」はエチェリ市場の入り口を出て左斜め前、1分以内の場所にあります。
Boráros tér停留所へ向かう54, 55バスなども、すべてこのバス停に発着します。
営業時間と定休日について
エチェリ市場には営業時間がありますが、それは「市場の入り口が開いている時間」を指しています。
商品を販売するお店のオーナーさんたちは、各自のテンポで、市場が開いている時間の中で自由に店を開けたり閉めたりしています。
あまり早く行っても、オーナーさんがまだ到着していなくて、肝心のお店が開いていない可能性も。
逆に、遅い時間帯も、オーナーさんたちが帰宅して閉まっているかもしれません。
ほどよい頃合いを狙ってでかけてみてください。なお、土曜日は朝7時くらいから賑わってくるそうです。
Google Mapsでは公式ウェブサイトより短い営業時間が載っていますが、公式ウェブサイトの営業時間が正しいようです。
エチェリ市場のFacebookを見る限り、祝日になるといつもクローズしているようです。エチェリ市場訪問前に、Facebookの情報も確認してみてください。
市場がクローズする「ハンガリーの祝日」については、こちらの記事をご参照ください!
【まとめ】派手さはないけど、平日ならではの良さもあるエチェリ市場
平日のエチェリ市場は、開いているお店が限られていて、正直かなり閑散としています。
でもそのぶん、通路は空いていて広々。
店のオーナーさんとゆっくり会話ができたり、気になる商品をじっくり見せてもらえたりと、落ち着いた市場ならではの楽しみ方もあります。
平日でも、ユニークなお店や、素敵な商品がきっと見つけられます。
今回ご紹介したお店のオーナーさんたちは、穏やかで親切だったので、機会があったらぜひ立ち寄ってみてください。
活気ある雰囲気が好きな人や、たくさんのお店を巡りたい人には、やっぱり土曜日の訪問がおすすめ!
午前の早めの時間に着いて、じっくり宝探しを楽しんでください。
エチェリ市場は、半分観光地のようでありながら「ハンガリーの暮らし」も垣間見られるユニークな場所。
気になった方はぜひ、ご自分の足でハンガリーのカオスな空間を体験してみてください!
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