ブダペストのペスト側にある市民公園 (Városliget)。世界遺産のアンドラーシ通りの突き当たりから広がっています。
約6500本の木が植っている緑豊かな公園は、ディズニーランド約2つ分の敷地を誇ります。
ここ数年の市民公園プロジェクトのおかげで、新たな見どころも増え、公園全体の魅力が増している最中です!
中世の資料には、すでに現在の市民公園周辺の記録が残っています。1896年のミレニアム記念博覧会の前後に大きく整備が進めらた、ハンガリーでも歴史のある公園です。
ブダペスト市民公園では、次のような楽しみ方があります。
ぶらぶらと散歩をするもよし、目的地を絞ってじっくりと見学したり遊んだりするのもよしです。
- ヴァイダフニャド城・音楽の家・民族博物館などユニークな建築物を見て回る
- ブダペスト観光の最中に、緑の中で散歩をしてリラックス
- 遊具がかなり充実した無料の公園で、子供を思いっきり遊ばせる
- 美術館を巡る
- 有名なセーチェーニ温泉に入る
- レストランやカフェで一服する
- サーカスを見に行く
市民公園に行ってみたいと思った方、どんな見どころあるのか知りたい方、ぜひこちらのブログに目を通して、情報を集めてください!
写真を多めに掲載するので、市民公園の様子を想像しながらお楽しみください✨
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りり / 旅行大好き
ハンガリーの首都、ブダペスト在住18年
1人旅が大好きで、世界50カ国以上を訪問
東京で旅行会社に4年勤務経験あり
ヨーロッパに長年いるけれど、実はインドや暖かい国が大好き
旅のプロとして、みなさんに役立つハンガリー情報や、旅行情報をお届け中!
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ブダペスト市民公園のマップ紹介
市民公園プロジェクトのホームページに地図がありました。イラストが入っているので、わかりやすいです!
「市民公園」とひとくくりに呼んでも、敷地はとても広いです。
例えば、左端にある動物園から、右端にある気球のある公園までは、歩いて20分程度かかります。
滞在日数に限りのある方は、どこへ行きたいかあらかじめ吟味してからお出かけください!
市民公園のおすすめの場所を12ヶ所選んで、私も独自の地図を作成しました。
これから、1ヶ所ずつ画像とともに解説していきます。
- ヴァイダフニャド城
- ハンガリー音楽の家
- 湖
- 気球のモニュメントのある公園
- ブダペスト民族博物館と革命の記念碑
- ミレニアムハウス
- セーチェーニ温泉
- 西洋美術館
- 英雄広場
- 動物園
- グンデル(レストラン)
- 気球のアトラクション
- ブダペスト大サーカス
紫色の数字は、地下鉄駅やバス・トロリーバス停の場所です。
市民公園へは、地下鉄1号線・バス・トロリーバスなどでアクセスできます。
- Széchenyi fürdő(地下鉄1号線)
- Hősök tere(地下鉄1号線)
- Hősök tere(バス20E、30番など)
- Állatkert(トロリーバス72番)
- Dvořák sétány(トロリーバス70番)
- Ötvenhatosok tere(トロリーバス74番)
ブダペスト市民公園のおすすめの場所 13選
ブダペスト市民公園内でおすすめの場所をまとめてみました。
順位不同です。パッと見て気になった場所を記録しておいてくださいね!
1. ヴァイダフニャド城とその周辺
ヴァイダフニャド城(Vajdahunyad vára)は、元ハンガリー領トランシルバニアのヴァイダフニャドにあるお城のレプリカで、1896年のミレニウム記念博覧会時に建設されました。
取り壊しする予定が国民の強い反対にあい、元々は木造建築でしたが、レンガと石を使って1908年に再建されました。
様々な建築様式(ロマネスク、ゴシック、ルネッサンス、バロックなど)が混ざっているので、見る場所によって印象が異なります。
現在は農業博物館(Mezőgazdasági Múzeum)として使用されています。内装はとても豪華。建築好きの人にとっては、建物を見て歩くだけでも楽しめるでしょう。
農業博物館の入場料は大人が2,500フォリント、子供と年金受給者は1,200フォリント、月曜日が休館日です。
ハンガリーの独自の休日(3月15日、8月20日、10月23日)は入場料が無料です。
🎇こちらの記事にハンガリーの祝日の内容をまとめてあります。
農業博物館ホームページ:https://www.mezogazdasagimuzeum.hu/information
元々は図書館として使われていたこちらの建物は、現在は礼拝堂になっています。
夏のヴァイダフニャド城の周りの小川は、犬に大人気のスポット。ワンちゃんたちが泳いでいる姿を見られる確率が高いです。
ヴァイダフニャド城の門の手前の広場では、時期によって屋台が出たりイベントが開催されたりします。
2. ハンガリー音楽の家
日本人建築家の藤本壮介氏が設計したハンガリー音楽の家(Magyar Zene Háza)は、2022年に完成しました。
168件の応募の中から選ばれた藤本氏のデザインは、ハンガリー人からの絶賛はもちろん、世界からも注目を浴びています。
地上館エリアは誰でも自由に入場できます!
ガラス張りの建物は開放感があり、直線が少ない建築の構造は優しい雰囲気がして、自然との調和を感じられます。
中にはカフェやギフトショップもあります。
市民公園に寄る際は、せっかくの機会なので、ぜひ足を踏み入れてみてください!
ハンガリー音楽の家のコンサート・イベント情報:https://zenehaza.hu/en/current-programs
月曜日は休館日ですので、ご留意ください!!
音楽の家の前にある公園は、音の出る楽器風の遊具が集まっていて、子供たちがいつも楽しそうに遊んでいます。
3. 湖(夏はボート、冬はスケート)
ヴァイダフニャド城の前の湖(Városligeti-tó)は、夏はボートにのって遊べ、冬はスケート場になります。
夏のボートの種類はその年によって異なるので、どんなのがあるかは行ってみてのお楽しみです。
何度かスケートをしに行きましたが、なんといってもローケーションが特別なので、それだけで気分があがります。
ボートおよびスケートのシーズンは、ホームページにて確認できます。
ボートの営業期間が意外と短いので(ハンガリーの夏休み前後のみ)、乗りたい方は事前にホームページを確認してください。2023年は9月10日に(!)ボートシーズンが終わってしまいました。
市民公園のスケートとボートの情報:https://www.facebook.com/mujegpalya.varosligeti/?locale=hu_HU
湖に面した建物内にVárosliget Café & Restaurantというカフェ・レストランがあります。入り口は湖側ではなく裏側です。
食事やコーヒーで一服する予定の場合は、ぜひ事前に連絡をして窓際湖向きのテーブルを予約してください。お料理のお値段は少しお高めですが、窓からの景色は雰囲気抜群です。
子供用のメニューもあります。
Városliget Caféのメニュー:https://varosligetcafe.hu/en/menu-html/
Városliget Caféのテーブル予約:https://varosligetcafe.hu/en/contacts/#asztalfoglalas
動物園に近い方の湖は、年中まったりとした雰囲気で、寒くない時期はカモがたくさんいます。
4. 気球のモニュメントのある大きな公園
お子さんが喜ぶこと間違いなしの公園(Városligeti Nagyjátszótér)!!地元の人でいつも賑わっています。
ティーンエイジャーが楽しめる大きなアスレチックから、0歳児でも遊べる砂場や小さなブランコまで、幅広い年齢層に対応しているのが嬉しいです。
無料とは思えないほど充実しています!!
市民公園内に子供が遊べる公園はいくつかあるのですが、この大きな気球が目印です。
大きな子供向けのアスレチックや遊具
気球の公園内の英雄広場に近い方は、大きな遊具が集まっています。高さのあるアスレチックでは、子供達は足を踏み外さないよう、慎重に集中して遊んでいます。
数人で楽しめる空中ブランコ。いつも誰かが乗っている人気の遊具です。
この2人乗りのぐるぐる回るシーソー(?)のような乗り物は、動きがとってもダイナミック。乗っている人はいつも注目の的です。
ターザンロープは公園内に3箇所あります。
小さな子供向けの遊び場
大きなアスレチックの反対側には、小さい子供向けの遊具が集まっています。
小さい子でも乗れる空中ブランコがかわいらしいです。
ブランコやすべり台も小さい子向けの大きさ。砂場もあります。
水遊び場(暑い時期)
暑い時期は水遊びもできるようになっていて、子供たちは水着や下着姿で遊んでいます。水遊びをする場合は、タオルを持ってきてくださいね。
売店
ちょうど公園の真ん中あたり、外に出たところに小さな売店があります。
ドリンク類はもちろんのこと、ピザやハンバーガー、夏場はソフトクリームも販売しています。
気球のモニュメントのある公園:年中無休、無料、08:30〜日没頃まで
5. 民族博物館と1956年革命記念日のモニュメント
市民公園プロジェクトで新しく建設されたのが民族博物館(Néprajzi Múzeum)。非常にユニークな、2つのスキージャンプ台が合わさったような形をしています。
博物館の屋根には緑が敷き詰められていて、階段があり自由にのぼることができます。
モダンな建物とハンガリーの歴史を感じられる民族博物館の組み合わせ、なかなか面白いです。
民族博物館の地下の一部は無料の展示コーナーになっています。興味のある方はもちろん、天候の悪い時などに気軽に足を運んでみてください。
ハンガリーが社会主義国だった頃、ここにはスターリンの銅像が立ち、軍事パレードなどが行われる場所でした。
現在は1956年の革命記念日(ハンガリー動乱)の記念碑が立っています。
民族博物館の入場料は大人が3,600フォリント、学生は1,800フォリント、月曜日が休館日です。(屋根にはいつでも自由にのぼることができます。)
農業博物館と同様、ハンガリーの独自の休日(3月15日、8月20日、10月23日)は入場料が無料です。
🎇ハンガリーの祝日や、革命記念日の歴史についてはこちらの記事にまとめてあります。ご興味のある方はご覧ください。
民族博物館ホームページ:https://www.neprajz.hu/en/
6. ミレニアムハウスとその周辺
元々市民公園にあった古い美術館が、市民公園プロジェクトで改修され、美しい姿を取り戻しました。
現在はミレニアムハウス(Millennium Háza)と呼ばれ、アートギャラリーおよびカフェとして利用されています。
ミレニアムハウスは、ハンガリーが誇る磁器ブランドのジョルナイで装飾されていてます。
ミレニアムハウスの前には美しいジョルナイの噴水もあります。
ブダペストではジョルナイのタイルや焼き物を使った建築物を見つけることができます。ジョルナイが気になった方はこちらの記事もどうぞ。
ミレニアムハウスの前のジョルナイの噴水周りはローズガーデンになっています。
ミレニアムハウスの周辺には、小さなボタニカルガーデンや、小さな丘と草原があったりします。
時間に余裕のある人、緑が大好きな人は、ぜひゆっくりお散歩してみてください。
🎒持ち運ぶのに嵩張らない、軽いレジャーシートをバッグに入れておけば、芝生でのんびりする時に重宝します!
7. セーチェーニ温泉
温泉大国のハンガリー。ブダペストで最も有名な温泉の1つが、1913年にオープンしたセーチェーニ温泉(Széchenyi gyógyfürdő)です。
屋外に3つの温泉(うち1つは遊泳用プール)、屋内に15の温泉があり、サウナを利用したり、マッサージに申し込みもできます。
泳ぐのが好きな方、話のネタに入ってみたい方は、水着やビーチサンダルを準備しておでかけくださいね!
冬にもセーチェーニ温泉に行ったことがありますが、屋外の温泉の出入りの時がめちゃくちゃ寒いです🥶寒がりの方は冬の屋外温泉の利用はご注意ください!
なお、ハンガリーの多くの温泉施設では、14歳以下の入浴は推奨されていません。
ハンガリー在住者からみると、入場料はなかなか高価です。(金〜日曜日の週末は10,900フォリント<2023年9月現在のレートで約4500円)
詳細はホームページにて確認できます。月〜木曜日が最低料金で、祝日には週末料金よりも割高になります。
セーチェーニ温泉料金リスト:https://www.szechenyibath.hu/prices
♨︎ブダペストのルダシュ温泉に行った時の様子をまとめた記事です。ハンガリーの温泉施設内部の様子をぜひご覧ください!
♨︎温泉と言えば、ハンガリーの西側にあるへーヴィーズ温泉湖がユニークで人気のある場所です。温泉好きでハンガリー滞在の日程に余裕のある方は、へーヴィーズにも行ってみませんか?ブダペストからの日帰りツアーもあります。
8. 西洋美術館
1906年に完成した西洋美術館(Szépművészeti Múzeum)は、英雄広場に面して立っています。
その名の通り、スペイン・イタリア・オランダ・ドイツなどの西洋絵画のコレクションが豊富。その他、エジプト・ギリシャ・ローマの工芸品や、ハンガリーの絵画コレクションも見学できます。
西洋美術館の建物自体も見どころの1つです。
地上階の入り口を入ってすぐのホールからすごい高さ&広さです!
2018年に改修工事が終わり、70年間倉庫として使われていたローマホールが開放されたことは当時話題となりました。
1階(日本の2階)はすべての部屋が西洋絵画でびっしり。見どころ満載です。
エル・グレコ、ベラスケス、ラファエロ、ティツィアーノ、ブリューゲル、ヴァン・ダイク、デューラーなどの作品を楽しめます。
地下1階のエジプト・ローマ・ギリシャの展示も見逃せません。
カフェとクロークも地下1階にあります。
大きなカバンは美術館に持ち込みできません。貴重品などを入れられる黒い小さな布バッグを、クロークで無料で借りることができます。
西洋美術館の入場料は4,800フォリント(欧州出身者の場合は学割などあり)、月曜日が休館日です。
🎆農業博物館・民族博物館と同様、ハンガリーの3日間の祝日に入場が無料になります。
西洋美術館ホームページ:https://www.szepmuveszeti.hu/
9. 英雄広場
市民公園の顔といえばこの英雄広場(Hősök tere)です。
1906年に完成しましたが、戦争の被害や社会主義時代の銅像の入れ替えなどを経て、2000〜2001年の改修工事で現在の姿になりました。
大きな銅像が並ぶこの広場は迫力があるので、記念撮影におすすめの場所です。
24時間いつでも訪問できます。
2023年に行われた世界陸上のマラソンおよび競歩は、この英雄広場がスタート・ゴール地点だったことを記憶されている方も多いのではないでしょうか。
🏃♀️どんなマラソンコースだったかは、こちらの記事にまとめました。世界遺産の街を駆け抜ける美しいコースです。
10. 動物園
1866年に開園したブダペストの動物園(Fővárosi Állat- és Növénykert)は、世界で最も古い動物園の1つです。
数々の動物はもちろんのこと、エキゾチックなエレファントハウスなどの建築物、子供が遊べる小さな動物園内の公園、緑の多い敷地でのリフレッシュ効果などおすすめポイントがたくさんあります。
こちらの記事で動物園内の写真をたくさん掲載しています。お子さん連れや動物好きな方に動物園はとってもおすすめです!
11. グンデル(レストラン)
1894年創業の老舗レストランのグンデル(Gundel)も、市民公園内にあります。
先ほどご紹介した動物園の本当にすぐお隣です。
世界の有名人も訪れる高級レストランですが、寒くない時期のテラス席はカジュアルで利用しやすいです。
老舗レストランで食事をした!という思い出を残したい方におすすめの場所です。
※2023年夏に2回訪問しましたが、ランチタイムのサービスはかなりゆっくりなので、念の為時間に余裕を持ってお出かけください。
有名なハンガリーのデザート「グンデル・パラチンタ(クレープ)」を、グンデルでいただいた様子をまとめた記事です。
12. 気球のアトラクション
120年前の博覧会で人気のあった気球(BalloonFly)のアトラクションが、2022年に復活しました。
私たちはまだ乗ったことはありませんが、口コミをみると楽しんでいる人が多いようです!
気球は地面にロープで繋がれています。定員は約30名で、6歳から搭乗可能です。
約5分かけて150mの高さに上昇、上空からの景色を約5分楽しんで、その後地上へ戻ります。
気球に乗らなくとも、市民公園を訪問中に、熱気球が空に浮かんでいる様子をみなさんも目にすることができるはずです。
気球の搭乗料金:大人 8,500フォリント、6〜14歳 5,000フォリント、家族割引(大人2名子供2名)20,000フォリント
気球の営業時間:09:00〜20:00
悪天候の場合は様子見もしくは運航中止。事前にホームページで運航状況が表示されるはずですが、情報が更新されておらずクレームもでているようです💦
気球に乗れないことや、待ち時間が長い可能性も考慮してお出かけください!
BalloonFlyホームページ:https://balloonfly.hu/
13. ブダペスト大サーカス
セーチェーニ温泉の正面、動物園の隣に、ブダペスト大サーカスがあります。
中央ヨーロッパで唯一の常設劇場サーカスで、子供だけでなく大人も十分に楽しめる内容です。
いい席のチケットは早めに売り切れてしまうので、観覧をご希望の際はお早めに手配してください!
家族でサーカスに行った時の観覧レポートです。チケットの購入方法もご案内しています。
ブダペスト市民公園おすすめの場所 13選 まとめ
広大な敷地を誇るブダペスト市民公園。古くからの歴史がありますが、ここ数年の開発プロジェクトで魅力的な場所がどんどん増えました。
市民公園の楽しみ方は、大まかに分けると2つあります。もちろん、2つを組み合わせることも可能です。
- ぶらぶら歩いて雰囲気を楽しむ(ヴァイダフニャド城周辺/ミレニアムハウス周辺、など)
- 目的地を決めてじっくり遊んだり見学したりする(ハンガリー音楽の家/気球オブジェのある公園/美術館や博物館/セーチェーニ温泉/動物園/グンデルレストラン/ブダペスト大サーカス、など)
なかなか敷地が広いので、行ってみたい場所を決めて大まかな計画を立てておくと、体力を消耗せずにすみます。
効率よく市民公園を歩いて、楽しい思い出を作ってください。
以上、参考になる情報があれば幸いです!
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